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2025.11.09
スタッフブログ
住宅のお金

高性能GX仕様の戸建てvs賃貸の生涯コストを徹底比較|50年後の家計はこう変わる

高性能GX仕様の戸建てvs賃貸の生涯コストを徹底比較|50年後の家計はこう変わる

住まいは、人生で一番大きなお買い物、そして一番長く過ごす大切な場所です。
物価や光熱費が上がり続ける今、「このままずっと賃貸でいいのかな?」と、将来のお金のことに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなモヤモヤを解消するために、身軽さが魅力の「賃貸暮らし」と、夏は涼しく冬は暖かく、光熱費も抑えられる「高性能GX仕様の戸建て」を、50年という長い目で見たときの生涯コストで比較します。
どちらがご自身のライフスタイルに合うのか、一緒に考えてみませんか?

 

この記事のポイント

・賃貸と高性能な持ち家の「お金のかかり方」の違いがわかる
・50年間の光熱費や税金まで含めた、生涯コストをイメージできる
・なぜ高性能住宅が、将来の家計を安心させてくれるのかがわかる
・お金、自由、安心感。3つの価値観から考える「あなたに合う住まい」の選び方

賃貸と持ち家(GX仕様の戸建て)、お金のかかり方を比べてみよう

「賃貸」と「持ち家」、それぞれどんなお金が、いつ、どのくらい必要になるのでしょうか。
まずは毎月の支出と、数年ごとにまとまって必要になる支出に分けて、お金の流れを整理してみましょう。

毎月のお金と、ときどき必要になるお金

暮らしに必要なお金は、大きく2種類に分けられます。
毎月決まって出ていくお金と、車検や家電の買い替えのように、数年単位で準備が必要なお金です。

賃貸の場合

毎月かかるお金:家賃、光熱費、共益費、駐車場代、火災保険料など
ときどきかかるお金:契約更新料(関東圏では2年に一度、家賃1か月分が目安です)
※更新料は地域や契約内容によって異なります。

持ち家(GX仕様の戸建て)の場合

毎月かかるお金:住宅ローンの返済、光熱費、火災・地震保険料など
毎年かかるお金:固定資産税・都市計画税
ときどきかかるお金:外壁の塗り替えや設備の交換などのメンテナンス費用

 

持ち家は、住宅ローン以外にも税金やメンテナンス費用がかかります。
でも、GX仕様の家なら、毎月の「光熱費」を大きく減らせるのが大きなポイント。
計画的にメンテナンス費用を積み立てておけば、将来も安心して暮らせます。

気になる「光熱費」、平均は?どれくらい減らせるの?

ここ数年、電気代やガス代が上がっているのは、みなさんも実感されていることでしょう。
お財布への影響も大きい光熱費について、平均的な金額と、GX仕様の家が持つ省エネ性能を見てみましょう。

一般的なご家庭の光熱費

環境省の調査によると、二人以上の世帯では、光熱費(電気・ガスなど)に年間で平均20万円前後かかっているというデータがあります。
今後もエネルギー価格がどうなるか予測しにくい時代だからこそ、価格の変動に左右されにくい家づくりが大切になります。

参考:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」

GX仕様の家の「光熱費削減パワー」

今回のテーマである「GX仕様」とは、一言でいえば「使うエネルギーを減らして、必要なエネルギーは自分で創り出す家」のこと。
具体的には、国が定める省エネ基準よりもはるかに高いレベルで断熱・気密性能をクリアし、太陽光発電システムなどを備えたお家を指します。

 

・高い断熱性で、そもそも使うエネルギーを減らす!

HEAT20 G2レベルの家は、魔法瓶のような構造で、夏は外の暑さが伝わりにくく、冬は室内の暖かさが逃げにくいのが特徴です。
そのため、冷暖房に頼りすぎなくても快適な室温を保ちやすく、光熱費を自然と下げてくれます。

 

・太陽光発電で、電気を自給自足!

5kWの太陽光パネルを屋根に載せると、年間で約5,000kWhの電気を発電してくれます(地域や設置条件で変わります)。
これは、一般的なご家庭が一年間に使う電気をまかなえる量。
昼間に発電した電気を家で使えば、電力会社から買う電気を大幅に減らせます。
例えば、発電した電気のうち3,000kWhをご家庭で使う(自家消費する)としましょう。
電気代の単価を30円/kWhとすると年間で約9万円、最近のように電気代が高い40円/kWhの状況なら、年間で約12万円もの電気代を節約できる計算になります。

税金や住宅ローン、知っておきたい公式情報

家づくりには、税金や金利といった専門的な情報も欠かせません。

固定資産税

家や土地を持つとかかる税金です。
新築の戸建ては、一定期間、税金が半分になる軽減措置があります。
税額は自治体によっても違うので、家を建てたい市区町村のホームページで確認するのが確実です。

住宅ローン金利

金利がわずか数パーセント違うだけで、総返済額は数百万円も変わることがあります。
例えば、長期固定金利で安心の「フラット35」の金利は、住宅金融支援機構のサイトで毎月公表されています。
正確な金額が気になる場合は、借入額と返済期間で一度シミュレーションしてみるのがおすすめです。

参考:住宅金融支援機構【フラット35】

関連情報:マイホームは必要かどうかお悩みの方へ!賃貸との比較と選び方のポイントをご紹介します!

 

家の模型と電卓、日本円を使って住宅の生涯コストを計算している机の上

【生涯コスト比較】50年間の総支出、その差は1,800万円以上にも

それぞれのコスト構造がわかったところで、実際に50年間暮らし続けた場合、トータルの支出にどれくらい差が出るのでしょうか。
関東近郊に住むあるご家族をモデルに、少しリアルなシミュレーションをしてみましょう。

 

【シミュレーションの前提】
今回の試算は、以下の条件で行っています。
これはあくまで一例であり、お客様の状況によって結果は大きく変わることをご理解ください。

 

ケースA(賃貸):広さ75㎡。家賃13万円、共益費1万円、駐車場1.5万円。2年ごとに更新料(家賃1か月分)。光熱費は年間20万円。
・ケースB(GX戸建て):広さ100㎡。物件価格5,000万円(頭金500万円、借入4,500万円)。ローンは35年固定金利1.8%で計算。固定資産税(年15万円)、修繕積立(月2万円)を計上。GX仕様により光熱費は賃貸より45%削減と仮定。

【比較表】50年間の支出内訳

支出項目 🅰賃貸 🅱GX戸建て 備考・ポイント
①住居費 (家賃/ローン) 約 9,300 万円 約 6,200 万円 持ち家はローン完済後、住居費が激減
②光熱費 約 1,000 万円 約 550 万円 GX仕様で▲450万円の削減
③管理・維持費 約 350 万円 約 2,100 万円 固定資産税、修繕積立、保険料、更新料など
合計 約 1億650万円 約 8,850 万円 差額:約 1,800 万円

 

【シミュレーションの結論】

結果は、高性能GX仕様の戸建ての方が、賃貸に住み続けるよりも約1,800万円も支出を抑えられる可能性がある、という試算になりました。
しかも、この差はあくまで「出ていくお金(支出)」だけを比較したものです。
50年後、賃貸は何も残りませんが、持ち家の場合は土地と建物という資産が手元に残ります。
この資産価値を考慮すれば、両者の実質的な差はさらに大きくなります。

さらに、今回の試算には含まれていない、以下のような要素も実際には家計に影響します。

知っておきたい!シミュレーション以上の経済的メリット

①売電収入

太陽光発電のメリットは、自家消費による電気代節約だけではありません。
日中使いきれずに余った電気は、電力会社に売ることで収入(売電収入)になります。
ライフスタイルにもよりますが、これにより年間数万円単位でさらに家計が楽になる可能性があります。

②住宅ローン控除

持ち家の場合、最初の10年~13年間、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が戻ってくる「住宅ローン控除(減税)」という非常に大きな制度があります。
これにより、数百万円単位で手元に残るお金が増えます。

③固定資産税の軽減

土地の評価額は景気に左右されますが、建物の固定資産税評価額は、年数が経つにつれて下がっていくのが一般的です。
そのため、将来的に税金の負担が軽くなっていくことが期待できます。

④賃貸の将来的なコスト上昇リスク

今回の試算では、賃貸の家賃や光熱費は一定としましたが、実際にはインフレなどで将来的に上昇していく可能性が高いです。
その場合、持ち家との生涯コストの差はさらに大きく開いていくと考えられます。

 

これらのメリットを総合的に考えると、高性能なGX仕様の戸建ては、将来にわたる家計の安定と資産形成に大きく貢献する可能性が高い、ということが言えるでしょう。

シミュレーションから見える、持ち家の3つの大きなメリット

この試算からは、GX仕様の戸建ての方がトータルの支出を抑えられる可能性が見えてきます。
お金の面だけでなく、将来の安心感という点でも、注目すべき3つのポイントがあります。

メリット①:ローン完済後、家計がぐっと楽になる

持ち家は、住宅ローンを完済すれば、その後の住居費は固定資産税とメンテナンス費用、そして抑えられた光熱費だけになります。
一方、賃貸は50年後も家賃を払い続ける必要があります。
老後の暮らしを考えたとき、この差はとても大きいものになります。

メリット②:高齢になっても「住む場所」の心配がない

実は、高齢になると収入面などの理由から、新しく賃貸契約を結ぶのが難しくなるという現実があります。
持ち家であれば、そうした心配とは無縁です。
終の棲家として、安心して暮らし続けられる基盤があることは、何ものにも代えがたい安心感につながります。

メリット③:「家計の予測しやすさ」という見えない資産

今回の試算では、将来の家賃や光熱費が上がらない前提ですが、実際にはどうなるかわかりません。
その点、GX仕様の家は、将来のエネルギー価格高騰のリスクに強いのが特徴です。
この「将来の支出が予測しやすい」という安心感は、数字には表れない、持ち家ならではの大きな資産と言えるでしょう。

関連情報:ライフサイクルコスト(LCC)を考えた住宅とは?重要性と低減方法と資産価値の維持・向上

 

高さの違う2つのコインのタワー。賃貸と持ち家の生涯コストの差を象-徴的に表現

GX仕様の家が生涯コストを抑える「4つの理由」

先ほどのシミュレーションで、GX仕様の家が生涯コストの面で有利になりやすいことが見えてきました。
では、なぜそのような差が生まれるのでしょうか?
その理由は、GX仕様の家が持つ4つの大きな強みにあります。

理由①:高断熱でエネルギー価格のアップダウンに一喜一憂しない

GX仕様の家の最大の強みは、「そもそも使うエネルギーが少ない」こと。
高い断熱性能で冷暖房の効率を上げているので、電気代やガス代が値上がりしても、家計が受けるダメージを最小限に抑えられます。

理由②:太陽光発電が「家計」と「暮らしの安心」を守る

太陽光発電は、電気を創って家計を助けてくれるだけでなく、災害時の備えとしても非常に心強い存在です。
万が一の停電時でも、太陽が出ていれば電気を使うことができるため、スマートフォンの充電や情報収集、最低限の家電の使用が可能になります。
この安心感は、持ち家ならではの大きなメリットです。

理由③:国の制度も追い風に。省エネ住宅が「当たり前」の時代へ

2025年度からは、すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されます。
これからの家は「省エネ」が最低ライン。
その中でも「HEAT20 G2」のような、さらに上の性能を目指すGX仕様の家は、快適性はもちろん、次の理由にもつながる大きな価値を持ちます。

参考:国土交通省「建築物省エネ法のページ」

理由④:高性能だから将来「資産」としての価値も期待できる

高性能な住宅は、快適で光熱費がかからないため、将来、家を売却したり賃貸に出したりする場合でも、一般的な住宅に比べて高く評価されやすい傾向にあります。
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)などの公的な評価でその性能を「見える化」できるため、買い手や借り手に対して大きなアピールポイントになります。
長く住むための家であると同時に、万が一の際には価値ある資産として家族を守ってくれる。
これもGX仕様の家が持つ、隠れた魅力です。

関連情報:高気密・高断熱の家とは?メリット・デメリットをご紹介します。

 

冬の寒い日でも、高断熱住宅の陽だまりのリビングで裸足で快適に過ごす親子

決め手は生涯コストだけじゃない。あなたにとっての「理想の暮らし」とは?

ここまで数字で比較してきましたが、最終的に大切なのは「どんな暮らしを送りたいか」という価値観です。
賃貸と持ち家、どちらがあなたの理想を叶えてくれるか、3つの視点から考えてみましょう。

Q1. あなたはどっち?① お金の価値観

安定志向で資産を築きたい? それとも柔軟性を重視したい?

安定志向の方 → 持ち家向き

「将来の支出を予測できるようにして、老後の不安を減らしたい」「どうせ払うなら、自分の資産になるものにお金を使いたい」と考えるなら、住宅ローンを組んで資産を形成する持ち家が向いています。

柔軟性重視の方 → 賃貸向き

「転勤やライフスタイルの変化に合わせて、気軽に住む場所を変えたい」「今は家の維持管理より、趣味や自己投資にお金を使いたい」と考えるなら、身軽な賃貸が合理的です。

Q2. あなたはどっち?② 暮らしの自由度

住まいを自由にカスタマイズしたい? それともシンプルに手間なく暮らしたい?

カスタマイズを楽しむ方 → 持ち家向き

「壁紙を好きな色にしたり、庭で家庭菜園を楽しんだりしたい」「ペットとのびのび暮らしたい」など、住まいを自分らしく育てることに喜びを感じるなら、自由度の高い持ち家が最適です。

シンプルに暮らす方 → 賃貸向き

「設備の故障やメンテナンスは大家さんにお任せしたい」「家の管理に手間や時間をかけたくない」という方には、管理の手間が少ない賃貸がフィットします。

Q3. あなたはどっち?③ 人生と住まいの安心感

「わが家」という心の拠点が欲しい? それとも身軽さや気軽さを大切にしたい?

拠点が欲しい方 → 持ち家向き

「この街に根を下ろし、子どもや家族との思い出を刻む場所が欲しい」「災害時にも頼れる、わが家という安心基地が欲しい」という想いが強いなら、持ち家がその願いを叶えてくれます。

身軽さが大事な方 → 賃貸向き

「ご近所付き合いなど、地域とのしがらみは最小限にしたい」「住環境に不満があれば、すぐに引っ越せる選択肢を残しておきたい」という方には、賃貸のフットワークの軽さが魅力です。

関連情報:後悔しない家づくりの鉄則!失敗事例から学ぶ間取り・土地・資金・会社選びの成功術

 

マイホームのウッドデッキでくつろぐ家族。持ち家がもたらす豊かな暮らしのイメージ

賃貸 vs 持ち家 よくあるギモン

生涯コストや理想の暮らしについて考えても、やっぱり残る不安や疑問がありますよね。
ここでは、お客様からよくいただく3つの質問にお答えします。

Q1. 大きな災害時、すぐに引っ越せる賃貸の方が安心なのでは?

A1. 賃貸の「移動できる身軽さ」に対し、持ち家には「災害に備える強さ」と「生活の拠点」という大きな安心感があります。
たしかに賃貸は移住も可能ですが、災害後は周辺の空き物件がすぐになくなり、家探しが困難になるという現実も。
一方で、高性能な持ち家は、そもそも「災害に備える」思想で建てられます。
ハザードマップを元に土地を選び、法律の基準を上回る「耐震等級3」で設計することで、倒壊リスクを最小限にできます。
さらに太陽光発電があれば、停電時にも最低限の電力を確保できます。
家が無事であれば、そこが生活再建の拠点になるため、住み慣れた場所で落ち着いて次の一歩を踏み出せる安心感は、何物にも代えがたい強みです。

Q2. 持ち家はメンテナンスが大変でお金もかかりそう。

A2. 実は賃貸の家賃にも、修繕費が含まれています。
持ち家は、その費用を「自分でコントロールできる」のが大きなメリットです。
例えば、新築時に耐久性の高い外壁や屋根を選ぶことで、メンテナンスの回数自体を減らし、長期的なコストを抑えることも可能です。
また、シミュレーションのように月々計画的に積み立てておけば、将来の出費に慌てることもありません。
手間をかけるからこそ愛着が湧き、家の価値も維持できるのです。

Q3. 将来、転勤や子どもの独立でライフスタイルが変わるかも。家を買うと不便になりませんか?

A3. 「家を買う=一生縛られる」というイメージは、もう過去の話。
GX仕様のような高性能住宅は、快適で光熱費が安いため中古市場でも人気があります。
そのため、ライフスタイルが変わる際には、「売却する」「賃貸に出す」という選択肢を取ることが出来ます。
また、新築時に将来の間取り変更を見越した設計もできるため、ご家族の成長に合わせて家を変化させることも可能です。
賃貸の「身軽さ」か、持ち家の「資産としての柔軟性」か、ご自身の将来像と照らし合わせてみてください。

 

信頼できる建築士と笑顔で打ち合わせをする夫婦。家づくりの不安を解消しているイメージ

まとめ

今回は、高性能なGX仕様の戸建てと賃貸の生涯コストを比較しながら、これからの住まい選びについて考えてきました。
シミュレーションではGX仕様の戸建てに軍配が上がりましたが、これはあくまで一例です。
お住まいの地域の家賃相場や土地の価格、ご家族の人数やこれからのライフプランによって、最適な選択は異なります。

大切なのは、賃貸の「柔軟さ」と、持ち家の「資産性・自由度・安心感」というそれぞれのメリットを理解した上で、ご自身の価値観に合った選択をすること。
そして、目先の価格だけでなく、将来にわたる暮らしの質や安心感まで含めて、総合的に判断することです。

 

私たちはお客様一人ひとりの理想の暮らしに寄り添い、長く安心して快適に暮らせる家づくりをお手伝いしています。
もし「私たちの場合はどうなんだろう?」と少しでも気になったら、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。