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長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」のことです。
長期優良住宅は建築及び維持保全の計画を作成し、国が定めた基準をクリアすることで認定を受けることができ、税制面などさまざまな優遇措置を受けることができるようになります。
長期優良住宅の認定を受けるためには、安全性や快適性などに関わるさまざまな厳しい認定基準を満たす必要があるため、その認定を受けた住宅はより長期にわたって安心して快適に住み続けることができる住宅といえます。
長期優良住宅の目的
そもそも長期優良住宅の認定制度がはじまった背景としては、住生活の向上及び環境への負荷の低減を図る上で、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の普及を促進することが重要なことから、その普及を進めるために「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が2008年12月に公布され、2009年6月に施行されました。
つまり長期優良住宅は、多くの優良な住宅を作ることでメンテナンスを行いながらも長く大切に使って建物を維持保全し、豊かな生活と経済の持続的な発展、環境への配慮に寄与することを目的としています。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅の認定を受けるためには着工前に所管行政庁に申請し、建築及び維持保全に関する計画が下記基準に適合する必要があります。
1.住宅の構造および設備について長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていること。
2.住宅の面積が良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
3.地域の居住環境の維持・向上に配慮されたものであること。
4.維持保全計画が適切なものであること。
5.自然災害による被害の発生の防止、軽減に配慮がされたものであること。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅に認定されると税制の優遇や補助金の利用などさまざまな金銭面でのメリットや、長期優良住宅に認定された快適な家に永く住み続けることができるといったメリットがあります。
さまざまな税制の控除、減税を受けられる
住宅ローン控除 :控除限度額の拡大
不動産取得税 :控除額の拡大
登録免許税 :税率の引き下げ
固定資産税 :減税期間の延長
投資型減税 :費用の一部を所得税から控除
住宅ローン控除の控除限度額の拡大
2022年度から住宅ローン控除では、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を最大で13年間、所得税と住民税から控除できます。
一般住宅の場合の控除限度額は最大年間21万円、13年間で273万円ですが、長期優良住宅ではこの控除限度額が最大年間35万円、13年間で455万円に拡大されます。
※2023年12月31日までに入居した場合
不動産取得税控除額の拡大
不動産を取得した際、不動産取得税がかかります。
一般住宅の控除額は1,200万円ですが、長期優良住宅の控除額は1,300万円に拡大されます。
※2024年3月31日までに入居した場合
評価額3,000万円の住宅を取得したケース
一般住宅 :(3,000万円-1,200万円)×3% = 54万円
長期優良住宅 :(3,000万円-1,300万円)×3% = 51万円
登録免許税率の引き下げ
不動産を購入した際の所有権登記に税金がかかります。
長期優良住宅ではこの税率が引き下げられます。
登記の種類 | 税率 | |
一般住宅 | 所有権保存登記 | 0.15% |
所有権移転登記 | 0.30% | |
長期優良住宅 | 所有権保存登記 | 0.10% |
所有権移転登記 | 0.20% |
※2024年3月31日までに入居した場合
評価額3,000万円の新築戸建を取得したケース
一般住宅保存登記 :3,000万円×0.15% = 4.5万円
長期優良住宅保存登記 :3,000万円×0.1% = 3万円
固定資産税減税期間の延長
不動産を所有している場合、毎年固定資産税がかかります。
新築住宅を購入した際、一般住宅は3年間固定資産税が1/2に減額されますが、長期優良住宅の場合はその期間が5年間に延長されます。
※2024年3月31日までに入居した場合
評価額3,000万円の住宅を取得した場合の5年間の固定資産税
一般住宅 :(3,000万円×1.4%×1/2)×3年+(3,000万円×1.4%)×2年 = 147万円
長期優良住宅:(3,000万円×1.4%×1/2)×5年= 105万円
※評価額は毎年変動します
投資型減税
投資型減税は住宅ローンを使わずに現金で購入した際に利用できる制度で、住宅ローン控除との併用はできません。
長期優良住宅を建てるために割高になった「掛かり増し費用」の10%を所得税から控除できる仕組みで、控除対象限度額は650万円です。
そのため最大で65万円を所得税から控除できます。
※2023年12月31日までに入居した場合
住宅ローンの優遇措置を受けられる
長期優良住宅は、住宅金融支援機構と金融機関が提携して扱う全期間固定金利型住宅ローン「フラット35」を利用する際に金利優遇が受けられます。
フラット35には、長期優良住宅など省エネルギー性、耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に、借入金利を一定期間引き下げる制度「フラット35S」があり、フラット35S金利Aプランでは借入当初から10年間、金利を0.25%引き下げることができます。
地震保険料が割引される
長期優良住宅は、地震保険料の割引を受けることができます。
長期優良住宅は耐震等級2以上もしくは免震建築物であることが求められるため、耐震等級2では30%、耐震等級3または免震建築物では50%の割引を受けることができます。
関連記事:耐震等級3相当とは?耐震等級3との違いを解説します!
補助金を受給できる
地域型住宅グリーン化事業
長期優良住宅は地域型住宅グリーン化事業の補助金を最大140万円受けることができます。
この補助金を受けるためには、2つの要件を満たす必要があります。
1.国交省の採択を受けた中小工務店で木造住宅を建築する
2.原則として地域で採れた木材を使用する
対応している工務店かどうか事前の確認が必要になります。
一般社団法人木を活かす建築推進協議会「地域型住宅グリーン化事業」
長期優良住宅のデメリット
申請に時間や手数料がかかる
長期優良住宅は着工前に所管行政庁に申請し、建築及び維持保全に関する計画が認定される必要があります。
また、申請には手数料を支払う必要もあります。
手続きはご自分で行うこともできますが、手間も時間もかかるため、ミスがないように建築会社に代行を依頼したほうがよいでしょう。
建築コストが高くなる
長期優良住宅は、構造部分や住宅設備にグレードの高いものを選ぶため、現在の一般住宅と比較すると建築コストは高くなります。
しかし今後の大地震の発生や温暖化による気温の上昇などを考えると、高い耐震性や省エネ性は必須の性能となっていくため、住宅の性能に不安や不満を感じることなく暮らせることはメリットにもなります。
定期点検とメンテナンスが必要
長期優良住宅は建築前に提出する維持保全計画に沿って、定期的な点検やメンテナンスを行い良好な状態を保つ必要があります。
点検などの維持保全を計画通りに実施しないと、長期優良住宅の認定が取り消される可能性もあるため注意が必要です。
ただ長期優良住宅でなくても定期的な点検とメンテナンスは必要であるため、維持保全計画に沿って行うということがメリットと感じる方もいらっしゃいます。
まとめ
長期優良住宅は、国土交通省の木造住宅期待耐用年数(※基礎・躯体に係る期待耐用年数の目安)によると、100年を超えて暮らせるとされています。
申請手続きの手間や建築コストが高くなるといったデメリットもありますが、永く安心して快適に暮らせる家に住むことができ、また税制の優遇や補助金を利用できるなどさまざまな金銭的なメリットがあります。
造っては壊すというスクラップ&ビルドの家づくりから、メンテナンスをして次世代へ住み継ぐことができる家づくりにすることが、持続可能な社会への転換になります。
大栄建設ではスーパーウォール工法による長期優良住宅と耐震等級3を標準仕様としております。
国から認定された世代を超えて永く安心して住み継ぐことができる長期優良住宅にご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
大栄建設は ZEH※の普及に努めています!
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の略。
ネットゼロエネルギー住宅とは、建物の断熱化+機器の高効率化により、使用エネルギーを削減し、さらに、太陽光発電などの創エネルギーを用いることで、エネルギー収支がゼロになる住宅のこと。
大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標
2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%