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2025.10.13
スタッフブログ
後悔しない家づくり

一般的な家の広さは何坪が理想?平均坪数と後悔しない間取りの考え方

一般的な家の広さは何坪が理想?平均坪数と後悔しない間取りの考え方

「そろそろマイホームを建てたいけど、どのくらいの広さが良いんだろう?」
「他の人の家って、平均何坪くらいなのかな?」
家づくりを考え始めると、多くの方がまず「広さ」についての疑問に突き当たります。
理想の暮らしを思い描いても、それを実現するために具体的に何坪必要なのか、目安がわからないと計画も進めにくいですよね。
今回は、一般的な家の広さに関するデータをご紹介しながら、ご家族にとって本当に快適な広さを見つけるための「考え方」を解説します。
平均を知ることは、自分たちの理想を考える上での大切な第一歩。
この記事が、あなたの後悔しない家づくりのヒントになれば幸いです。

 

【この記事のポイント】

・データでわかる注文住宅・建売住宅・共同住宅の平均的な広さの目安
・ご家族の人数ごとに必要な坪数と間取りの考え方
・坪数以上に広く快適に暮らすための設計テクニック
・家が建ってから後悔しないために知っておくべき3つの視点

まずは知っておきたい!一般的な家の広さの平均データ

自分たちにとっての理想の広さを考える前に、まずは世の中の「平均」を知っておくと、イメージがぐっと具体的になります。
ここでは、公的なデータを基に、一般的な家の広さを見ていきましょう。

データで見る住宅の平均坪数

住宅金融支援機構がフラット35の利用者に対して行った調査によると、住宅の種類ごとに平均的な広さが分かります。

 

注文住宅:118.5㎡(約35.9坪)
建売住宅:100.7㎡(約30.5坪)
共同住宅(マンション):66.3㎡(約20.0坪)

出典:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」

 

このデータを踏まえると、一般的な戸建ての広さは「30坪~36坪程度(約99㎡〜約120㎡)」、マンションは「20.0坪(66.12 ㎡)」が平均の目安と言えるでしょう。
郊外ほど広め、都市部ほどコンパクトになりがちで、間取り効率や収納計画で体感の広さは大きく変わります。

💡 ちょっと豆知識:坪と㎡(平米)の関係

間取り図などでよく目にする「㎡(平米)」と「坪」。簡単な計算方法を覚えておくと便利です。

  • ✅ 1坪 = 3.305785㎡(便宜上3.3㎡)
  • ✅ ㎡数 ÷ 3.3 = おおよその坪数
  • ✅ 坪数 × 3.3 = おおよその㎡数

例えば、100㎡の家なら「100 ÷ 3.3 ≒ 30.3坪」と計算できます。

国が示す「快適な暮らし」の広さとは?

一方で、国が示す「住生活基本計画」による基準(誘導居住面積水準)も重要な指標です。
これは、豊かな暮らしを送るために世帯人数ごとに必要とされる住まいの広さの目安を定めたものです。

 

【戸建て住宅の場合】

25㎡ × 世帯人数 + 25㎡
例:4人家族 → 25㎡ × 4人 + 25㎡ = 125㎡(約38坪)

 

【共同住宅(都市居住型)の場合】

20㎡ × 世帯人数 + 15㎡
例:4人家族 → 20㎡ × 4人 + 15㎡ = 95㎡(約29坪)

 

このように、戸建てと共同住宅では基準が異なり、同じ「4人家族」でも、
・戸建てなら約38坪
・共同住宅なら約29坪
が、国が考える豊かな暮らしの目安とされています。

参考:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」

 

実際の平均値と比べると、国の基準は少し広めです。
これは、あくまで多様なライフスタイルに対応できる「ゆとり」を含んだ理想の広さとして設定されているためです。

Q&A:よく聞く「延べ床面積」と「施工面積」ってどう違うの?

家の広さを表す言葉には、いくつか種類があって少し紛わしいかもしれません。
代表的な2つの違いをかんたんに解説します。

延べ床面積(のべゆかめんせき)

「建物の各階の床面積の合計」のことで、建築基準法で定められた公式な面積です。
登記されるのもこの面積で、税金の計算などにも使われます。
ただし、壁に囲まれていないバルコニーや玄関ポーチ、天井の低いロフトなどは、基本的に延べ床面積には含まれません。

施工面積(せこうめんせき)

実際に工事を行った面積のことで、延べ床面積には含まれないバルコニー、玄関ポーチ、ロフトなども含めて計算されることが多いです。
そのため、施工面積は延べ床面積よりも基本的に広くなります。
注意点として、施工面積の計算方法は建築会社によってルールが異なるため、複数の会社の見積もりを比較する際は「どちらの面積で費用が計算されているか」をしっかり確認することが大切です。
バルコニー・玄関ポーチ・ロフトの扱いが会社によって異なることで、坪単価の金額が変わってきます。

関連情報:延べ床面積と施工面積の違いは?敷地面積と建築面積についても解説します!

 

住宅の設計図の上に置かれた電卓とメジャー。家の平均的な広さや坪数を計算し、家づくりを計画しているイメージ

家族の人数で考える、理想の広さと間取りの目安

平均的な広さがわかったところで、次に「自分たち家族の場合はどうだろう?」ということを考えてみましょう。
最適な広さは、一緒に暮らすご家族の人数によって大きく変わってきます。

【人数別】必要な坪数と間取りの目安

ここでは、家族の人数別に、一般的な広さと間取りの目安をご紹介します。

家族人数 広さの目安 間取りの目安 ポイント
2人家族(夫婦) 25~30坪 2LDK~3LDK 将来の子ども計画や趣味部屋をどうするかが鍵
3人家族 30~35坪 3LDK 子ども部屋1つ+LDKのゆとりが人気
4人家族 30~40坪 3LDK~4LDK 子ども部屋を分けるか大部屋を分割するかで設計が変わる
5人以上(二世帯) 40坪以上 4LDK~ 個室確保に加え、トイレや収納を増やす工夫が必要

 

これはあくまで一般的な目安です。
例えば、アウトドア用品など趣味の物が多いご家庭なら収納を充実させるために少し広めに、逆にミニマルな暮らしが好きならコンパクトに、とご家族の暮らし方に合わせて調整していくことが大切です。

関連情報:4人家族が快適に暮らす家の広さは何坪?平均的な坪数と後悔しない間取り

同じ坪数でも広く感じる!暮らしの質を高める空間設計のコツ

「4人家族なら38坪」といった目安はありますが、実は同じ38坪の家でも、設計の工夫次第で体感的な広さや暮らしやすさは全く変わってきます。
数字(坪数)だけにとらわれず、暮らしの質を高めるための空間づくりのコツを3つご紹介します。

コツ1:視線の「抜け」をつくって開放感を演出する

人は、視線が遠くまでまっすぐ通る(抜ける)と、空間を実際の面積以上に広く感じます。
例えば、こんな工夫が効果的です。

・リビングの窓と庭の配置
リビングのソファに座ったとき、視線の先に庭の緑が見えるように窓を配置すると、室内と屋外が一体に感じられ、開放感が生まれます。
・室内窓やガラス戸
廊下とリビングの間や、キッチンと書斎の間などに室内窓を設けると、壁による圧迫感がなくなり、光と視線が通る明るい空間になります。
・スケルトン階段
階段の向こう側が見えるスケルトン階段は、LDKを広く見せる定番のテクニックです。デザイン性も高く、おしゃれな空間のアクセントにもなります。

コツ2:縦の空間を活かして「広がり」を感じさせる

床面積だけでなく、「天井の高さ」も体感的な広さを左右する重要な要素です。

・吹き抜け
リビングの上を吹き抜けにすると、圧倒的な開放感と明るさが手に入ります。2階にいても1階の家族の気配を感じられるので、コミュニケーションが生まれやすいのも魅力です。
・勾配天井(こうばいてんじょう)
屋根の形に合わせて天井を斜めにする手法です。平らな天井よりも高さが出るため、部屋が広く、すっきりとした印象になります。

 

ただし、縦に空間が繋がる設計は、冷暖房の効率や音が響きやすいといった点も考慮が必要です。
断熱性能を高めたり、寝室の配置を工夫したりと、プロの設計力で快適さを両立させることが大切になります。

関連情報:リビングに吹き抜けを作るメリットをご紹介します!

コツ3:空間にメリハリを。「わが家が一番過ごす場所」はどこ?

広く見せるテクニックと同時に考えたいのが、「どこを、本当に広くするか」という空間のメリハリです。
限られた面積の中ですべてのお部屋を広くするのは非現実的。
だからこそ、「家族が一番長く過ごす場所」に面積をしっかり割り振ることが、満足度を高める鍵になります。
ぜひ、ご家族の普段の暮らしを思い浮かべながら、考えてみてください。

 

・「みんなでリビング」派のご家庭なら

LDKを最大限に広くし、ご家族が集まるソファやダイニングテーブルをゆったり配置。
その分、子ども部屋は「寝る・勉強する」ためのコンパクトな広さにしたり、廊下をなくしてリビングの一部に取り込んだりする設計が有効です。

・「それぞれの時間も大切」派のご家庭なら

LDKは食事や団らんのための標準的な広さにとどめ、個々の寝室や、集中できる書斎、趣味の道具を置けるお部屋などを充実させるのも一つの考え方です。
このように、「わが家はどこで過ごす時間が一番豊かだろう」という視点で考えることで、自然と優先順位が決まってきます。
この「わが家の中心」をどこにするかが、ブレない家づくりの大切な軸になるのです。

 

関連情報:住みやすい家の特徴とは? 動線を考慮した間取りと押さえたいポイント

 

天井が高く開放的なリビングで、4人家族がソファでくつろいでいる様子。カーテンのかかった大きな引き違い窓からは、手入れされた庭が見える。家族の人数に合った快適な間取りのイメージ

後悔しない広さを決めるための3つの考え方

平均データや人数別の目安を見てきましたが、最終的に「理想の広さ」を決めるのは、データではなくご家族自身の価値観です。
ここでは、お家が完成してから「もっとこうすれば良かった…」と後悔しないために、ぜひ押さえておきたい3つの考え方をご紹介します。

考え方1:「今の暮らし」だけでなく「未来の暮らし」を想像する

家づくりで最も大切なのは、ライフステージの変化を見据えることです。
家は、10年、20年、そしてその先も長く住み続ける場所。
今の暮らしやすさだけを考えてしまうと、将来不便を感じてしまうかもしれません。
例えば、こんな未来を想像してみましょう。

 

・子どもの成長
今は小さくても、いずれ一人部屋が必要になります。そしていつかは独立して家を巣立つ日が来るかもしれません。
・自分たちの老後
夫婦2人になった時、広すぎる家は掃除が大変に感じることも。階段の上り下りが負担にならないか、なども考えておきたいですね。
・家族構成の変化
ご両親との同居など、将来的に家族が増える可能性はありますか?

 

部屋数を多く作るだけでなく、例えば「大きな子ども部屋を将来2つに分けられるように、ドアや収納、コンセントをあらかじめ2つずつ用意しておく」といった工夫も有効です。
先の未来まで見据えることで、長く愛せる家になります。

関連情報:家族構成を考えた間取りを設計しよう!将来を見据えた家づくり

考え方2:「広さ=豊かさ」ではない?自分たちの価値観を大切に

「家は広ければ広いほど良い」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。
もちろん、ゆとりのある空間は魅力的ですが、一方で考慮しておきたい点もあります。

 

・維持管理の手間
広い家は、その分だけ掃除やメンテナンスの手間やコストが増えます。
・光熱費の増加
空間が大きくなると、冷暖房の効率が下がり、光熱費が上がりやすくなります。
・家族の距離感
家が広すぎると、ご家族がそれぞれの部屋にこもりがちになり、コミュニケーションが減ってしまうという声も聞かれます。

 

大切なのは、「自分たち家族にとっての豊かさとは何か」を話し合うことです。
例えば、「コンパクトでも家事動線が最高に良くて、時短になる家」「広い庭やウッドデッキがあって、気軽にアウトドアを楽しめる家」「吹き抜けリビングで、どこにいても家族の気配を感じられる家」など、豊かさの形はご家族の数だけあります。

考え方3:土地の条件や予算とのバランスを考える

理想の広さを思い描くと同時に、現実的な条件とのバランスを取ることも、後悔しない家づくりの重要なポイントです。

土地の法律上の制限

家を建てられる土地には、「建ぺい率(土地面積に対する建築面積の割合)」や「容積率(土地面積に対する延べ床面積の割合)」といった法律上の制限があります。
希望するエリアの土地で、そもそも理想の広さの家が建てられるのか、事前に確認が必要です。

関連情報:建ぺい率と容積率とは?緩和される条件もご紹介します! 

予算とのバランス

当然ながら、家は広くなるほど建築費用も高くなります。
家づくり全体の予算の中で、「建物にいくら」「土地にいくら」「諸費用にいくら」とバランス良く配分することが大切です。
もし建物の広さを優先するなら、少し郊外のエリアで土地を探す、といった選択肢も出てくるかもしれません。
どこにお金をかけ、どこを工夫するのかといった専門的な資金計画や土地探しは、ご自身だけで判断するのは難しいものです。
家づくりのパートナーとなる住宅会社としっかり相談しながら、ご家族にとって最適なバランスを見つけることが、後悔しないための近道と言えるでしょう。

関連情報:後悔しない家づくりの鉄則!失敗事例から学ぶ間取り・土地・資金・会社選びの成功術

 

日当たりの良いリビングのソファに座り、マグカップを片手に窓の外を穏やかに眺める女性。新しい家での未来の暮らしや、後悔しない広さについて考えている様子

まとめ

今回は、一般的な家の広さの平均データから、ご家族にとっての「理想の広さ」を見つけるための考え方までを解説しました。
平均坪数などのデータはあくまで参考です。
大切なのは、その数字をものさしにしながら、「自分たち家族はどんな暮らしがしたいのか」をじっくりと話し合うこと。
最適な家の広さは、ご家族の年齢や人数、ライフスタイルによって大きく変わる、いわば「オーダーメイド」のものです。
この記事を参考に、ぜひご家族だけの「ちょうどいい広さ」を見つけてみてください。

 

私たち大栄建設では、お客様一人ひとりのご要望を丁寧にお伺いし、長年の経験と知識を活かして、ご家族の理想の暮らしを実現するプランをご提案させていただきます。
「こんな家に住んでみたい」という夢や、「何から考えたら良いかわからない」という不安、どんなことでも構いません。
ぜひ、私たちにあなたの理想の暮らしをお聞かせください。