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30坪は何平米(㎡)?簡単な計算方法と家の広さの目安をわかりやすく解説
坪という単位はお家の広さを表す際によく使われますが、具体的にどれくらいの広さなのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
特にお家の新築やリフォームを検討しているご家族にとって、坪数と平米(㎡)の違いや換算方法を理解しておくことは非常に重要です。
今回は30坪の平米換算の計算方法とともに、お家の広さの目安や暮らしやすさについてわかりやすくご説明いたします。
広さの感覚をつかむことで、ご家族の快適な住まいづくりの第一歩になることでしょう。
【この記事でわかること】
・坪と平米(㎡)の簡単な換算方法
・30坪の家の広さのイメージ
・30坪で建てられる一般的な間取りの例
・30坪の家で快適に暮らすための間取りのポイント
・空間を広く見せるための設計のコツ
・30坪の家を建てる際の費用と「坪単価」の注意点
目次
坪と平米(㎡)はどう違う?基本の換算方法
お家や土地の広さを表すとき、「坪」と「平米(㎡)」という2つの単位がよく使われます。
それぞれの意味と関係性を知ることで、物件の広さを正確にイメージできるようになります。
「坪」ってどんな広さ?昔ながらの日本の単位
「坪(つぼ)」は、日本で古くから使われている面積の単位です。
広さをイメージするなら「畳2枚分」と覚えておくと便利です。
正確な広さは、1坪 = 約3.3平方メートル(㎡)と定められています。
この「坪」という単位は、もともと「尺貫法(しゃっかんほう)」という、メートル法が導入される前に使われていた日本独自の単位系の一つです。
メートル法が主流となった現代でも、不動産や建築の業界では慣習として深く根付いており、特に土地の面積を表す際には、欠かせない単位となっています。
「平米(㎡)」は世界共通の単位
一方、「平米(へいべい)」は平方メートル(㎡)のことで、世界中で使われている国際的な単位です。
こちらはシンプルに、「タテ1m × ヨコ1m」の正方形の面積が1平米(㎡)となります。
日本の不動産・建築業界でも「坪」とあわせて広く使われており、「坪」が日本国内で慣習的に使われるのに対し、「平米」は世界中の誰にでも伝わることが大きな違いです。
坪と平米(㎡)、どう計算する?簡単な換算テクニック
坪と平米(㎡)、どちらか一方の表記しかなくても、簡単な計算で変換できます。
まずは暗算でもできる、ざっくりとした計算方法を覚えましょう。
・【坪 → 平米】坪数 × 3.3
・【平米 → 坪】平米数 × 0.3 (または ÷ 3.3)
●計算例
・「30坪」 → 30坪 × 3.3 = 99㎡
・「50坪」 → 50坪 × 3.3 = 165㎡
・「100㎡」 → 100㎡ × 0.3 = 30坪
・「120㎡」 → 120㎡ × 0.3 = 36坪
おおまかな広さを知りたいときは「3.3倍する」か「0.3倍する」だけで、おおよその広さがすぐに分かります。
より正確な数字が必要な場合は、以下の換算率を使いましょう。
・1坪 = 3.305785㎡
・1㎡ = 0.3025坪
普段は簡単な方法で広さをイメージし、重要な場面では正確な数値で確認する、という使い分けがおすすめです。
30坪ってどのくらいの広さ?具体的なお家のイメージ
それでは、「30坪」が実際にどれくらいの広さのお家になるのかを具体的に見ていきましょう。
30坪は「約99.17㎡」、テニスコートの約半分
正確な計算式で換算すると、30坪 = 99.17355㎡となります。
お家づくりを考える上では、キリよく「約100㎡」のお家と覚えておくと、他のお家やマンションと比較する際にもイメージが湧きやすいでしょう。
この広さを身近なもので例えるなら、以下のようなイメージです。
・学校の一般的な教室(約65㎡)の約1.5倍
・シングルスのテニスコート(約195㎡)の半分くらい
国が示す「豊かな暮らし」の広さ基準と30坪
国土交通省は、「住生活基本計画」の中で、豊かな住生活の実現の前提として、ご家族の人数に応じた住宅の広さの目安である誘導居住面積水準を示しています。この水準は、多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する基準です。(出典:国土交通省「住生活基本計画における「水準」について」)
これによると、豊かな暮らしを送るために必要とされる住宅の面積は以下の通りです。
戸建ての場合
・3人家族の場合:100㎡(約30.25坪)
・4人家族の場合:125㎡(約37.81坪)
マンション・アパートなど共同住宅の場合
・3人家族の場合:75㎡(約22.69坪)
・4人家族の場合:95㎡(約28.74坪)
この基準に照らし合わせると、30坪(約100㎡)のお家は、戸建てであれば3人家族が豊かな暮らしを送るための基準をちょうど満たす広さであることがわかります。
また、マンション・アパートなどの共同住宅であれば、30坪(約100㎡)は4人家族が豊かな暮らしを送るための基準(95㎡)を上回る広さとなり、設計の工夫次第で十分に快適な暮らしを実現できる、非常にゆとりのある広さと言えるでしょう。
戸建て、マンションいずれの場合でも、30坪という広さは、多くのご家族にとって「豊かな暮らし」の選択肢となり得ます。
30坪で建てられる一般的な間取り例
30坪(約100㎡)のお家は、一般的に「3LDK~4LDK」の間取りが多く採用されます。
例えば、100㎡をお部屋の広さをイメージしやすい「帖(じょう)」という単位に換算すると約61帖(※1帖=1.62㎡で計算)となります。
では、この約61帖という広さを各部屋に配分すると、どのような間取りが実現可能なのでしょうか。
LDK(リビング・ダイニング・キッチン):20帖
主寝室:8帖
子ども部屋①:6帖
子ども部屋②:6帖
浴室:2帖
洗面脱衣室:2.5帖
1階トイレ:1帖
収納(ウォークインクローゼット等):4帖
玄関・廊下・階段: 合計8.5帖
合計:58帖(約93.96㎡)
ご家族が集まるLDKを20帖という広々とした空間にし、各個室もしっかりと確保できます。
お風呂はゆったり足を伸ばせる一般的な1坪サイズ(2帖)を確保し、洗面脱衣室も少し広めの2.5帖にすることで、収納棚を置いたり、朝の支度が混み合ったりしてもスムーズに使えるゆとりが生まれます。
ここで一つ注意したいのが、「帖(畳)」という単位の扱いです。
実は、畳の大きさは歴史的な背景から地域によって規格が異なり、主に4つの種類が存在します。
名称 | 1帖の大きさ | 面積(㎡) |
京間 | 1910mm × 955mm | 1.82㎡ |
中京間 | 1820mm × 910mm | 1.65㎡ |
江戸間 | 1760mm × 878mm | 1.54㎡ |
団地間 | 1700mm × 850mm | 1.44㎡ |
最も大きい「京間」と最も小さい「団地間」では、同じ「6帖の部屋」でも広さが約2.2㎡(およそ畳1.3枚分)も変わってきます。
このような混乱を避けるため、不動産広告では「1帖=1.62㎡以上」という基準(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則)を用いて㎡換算した上で表示することになっています。
お部屋の広さを比較検討する際は、「〇帖」という感覚的な広さとあわせて、必ず「〇㎡」という正確な数値を確認することも大切です。
30坪の家で快適に暮らすには?押さえておきたいポイント
「30坪(約100㎡)」という広さは、工夫次第でご家族にとって理想の住まいを実現できる十分な広さです。
ここでは、30坪のお家を建てる際に考えたい間取りの目安と、暮らしやすさを格段にアップさせるコツをご紹介します。
ご家族の人数で考える間取りの目安
お家の最適な間取りは、現在そして将来のご家族構成によって大きく変わります。
3人家族(ご夫婦+お子様1人)の場合
3LDKが最も人気の間取りです。
ご家族が多くの時間を過ごすLDKをゆったりとした広さにし、残りのスペースに主寝室、子ども部屋、水回り、収納をバランスよく配置するプランが一般的です。
4人家族(ご夫婦+お子様2人)の場合
「3LDK」または「4LDK」が主な選択肢になります。
お子様一人ひとりに個室を用意したい場合は4LDKが適しています。
その場合、1部屋あたりの広さは少しコンパクトになりますが、プライベートな空間を確保できます。
お子様が小さいうちは広い1部屋として使い、成長に合わせて間仕切り壁で2部屋に分けられるような「可変性のある設計」も、長く快適に暮らすための人気のアイデアです。
5人ご家族の場合
30坪で5人ご家族が暮らすには、空間を有効活用するさらなる工夫が求められます。
例えば、子ども部屋を勾配天井にしてロフトを設けたり、スキップフロアを活用して空間を立体的に使ったりすることで、必要なスペースを生み出すことが可能です。
広さ以上に大切!暮らしやすさを決める「動線」と「収納」
限られた面積を最大限に活かすには、数字上の広さだけでなく「動線」と「収納」の計画が非常に重要です。
家事が楽になる「家事動線」
毎日の家事負担をいかに軽くできるかは、間取り設計の腕の見せ所です。
「キッチン⇔洗面脱衣室⇔物干しスペース(バルコニーやサンルーム)」といった水回りを近くにまとめ、短い距離で行き来できるようにすることが基本です。
さらに、キッチンを中心にパントリーや洗面所をぐるっと回れる回遊動線を取り入れると、行き止まりがなくなり、ご家族が同時に動いてもスムーズで、お料理とお洗濯を効率よく進められます。
空間を有効活用する「収納計画」
収納は、ただ量を確保するだけでなく、「どこに」「何を」しまうかを考えた「適材適所の配置」が成功の鍵です。
例えば、
玄関:ベビーカーやアウトドア用品もしまえるシューズクローク(土間収納)
キッチン:食材のストックや調理家電を置けるパントリー
リビング:お掃除ロボットの基地や日用品を隠せるリビングクローゼット
洗面所:タオルや洗剤、着替えをまとめておけるリネン庫
など、使う場所のすぐ近くに適切な収納を設けることで、お部屋が散らかりにくくなり、居住スペースを常にすっきりと保つことができます。
関連情報:住みやすい家の特徴とは? 動線を考慮した間取りと押さえたいポイント
視覚効果で広く見せる!開放感を演出する設計のコツ
30坪のお家を、実際の面積以上に広く、心地よく感じさせるためには、視覚的な効果を巧みに利用した設計テクニックが有効です。
ここでは、開放感を演出するための具体的なアイデアをご紹介します。
縦の空間を活かす「吹き抜け」と「高天井」
床面積が限られているなら、縦方向への広がりを意識することがおすすめです。
リビングやダイニングの上に「吹き抜け」を設けると、視線が上へと抜け、開放感が生まれます。
高い位置にある窓から光が降り注ぎ、お家全体が明るく、心地よい空間になることが最大の魅力です。
ただし、冷暖房の効率が下がる、音が響きやすいといった側面もあるため、気密・断熱性能の高いお家を前提とし、空気を循環させる換気システムやシーリングファンを設置するなどの対策をセットで考えることが重要です。
リビング全体でなくても、階段部分を吹き抜けにするだけでも、空間のアクセントになり効果的です。
光と視線をコントロールする「窓」の工夫
窓は、単に光を取り入れたり換気したりするだけのパーツではありません。
配置や種類を工夫することで、空間に広がりと奥行きをもたらします。
掃き出し窓:お庭やウッドデッキとの繋がりを生み出し、室内と屋外を一体的に感じさせることで、視覚的な広がりを演出します。
高窓(ハイサイドライト):壁の高い位置に設ける横長の窓です。外からの視線を気にすることなく、安定した明るい光を部屋の奥まで届けてくれます。天井を高く見せる効果もあります。
コーナー窓:お部屋の角(コーナー)部分に設置する窓です。壁がなくなることで視線が2方向へ抜け、開放感が格段にアップします。
これらの窓を適切に組み合わせることで、プライバシーを守りながら、明るく開放的な空間をデザインすることが可能です。
色彩と素材でつくる広がり「内装」のテクニック
設計だけでなく、内装の選び方一つでもお部屋の印象は大きく変わります。
基本は明るい膨張色:壁や天井のクロスは、白やアイボリー、明るいグレーといった膨張色をベースにすることがおすすめです。光を反射し、空間全体を広く明るく見せてくれます。
床材の色:床の色も重要です。明るいナチュラルカラーのフローリングは空間を広く軽やかに見せ、逆にダークブラウンなどの濃い色は空間を引き締め、落ち着いた印象を与えます。
家具の選び方:家具は背の低いものを選び、床が見える面積を広く確保すると、天井が高く見え、圧迫感が軽減されます。
アクセントクロス:お部屋の一面だけを濃い色や柄物のクロスにするアクセントクロスは、視線を集めて空間に奥行きを生み出す効果的なテクニックです。
これらの視覚効果を上手に組み合わせることで、30坪という限られた面積を最大限に活かし、数字以上の広がりと快適さを感じられるお家を実現できます。
関連情報:家族が集まるリビングダイニングを広く見せる工夫と間取りやレイアウトの考え方
30坪のお家、費用はどれくらい?「坪単価」の賢い見方
お家の広さや間取りがイメージできてくると、次に気になるのはやはり「費用」です。
ハウスメーカーや工務店の広告でよく目にする「坪単価〇〇万円」という言葉は、費用を考える上での一つの目安になります。
しかし、この坪単価には注意すべき点がいくつかあります。
「坪単価」だけで判断するのは危険!
坪単価とは、お家の本体価格を延床面積で割った、1坪あたりの建築費のことです。
坪単価 = 本体工事費 ÷ 延床面積(坪)
例えば、本体工事費が2,100万円で延床面積が30坪のお家なら、坪単価は70万円となります。
一見すると非常に分かりやすい指標ですが、実はこの本体工事費に何が含まれているかが会社によってバラバラである、という大きな落とし穴があります。
照明器具やカーテンレール、屋外の給排水工事などが含まれていないケースも多く、坪単価だけを見て「この会社は安い」と判断してしまうと、後から追加費用が発生し、最終的な総額が予算を大幅に超えてしまうことも少なくありません。
関連情報:ローコスト住宅は本当にお得?失敗や後悔しないための注意点
本当に見るべきは「総額」。費用の内訳を知ろう
お家づくりにかかる費用は、大きく分けて以下の3つで構成されています。
本体工事費(全体の約75%)
建物そのものを建てるための費用。基礎工事、構造、内外装、基本的な設備(キッチン、お風呂、トイレ)などが含まれます。
付帯工事費(全体の約15~20%)
建物本体以外にかかる工事費用。地盤改良工事、屋外給排水工事、外構(駐車場やフェンス)工事、古い家の解体費用などがこれにあたります。
諸費用(全体の約5~10%)
工事以外にかかる費用。住宅ローンの手数料や保証料、火災保険料、不動産取得税などの税金、登記費用などが含まれます。
お家の総予算を考える際は、「坪単価 × 坪数」だけで計算するのではなく、この3つの費用をすべて含めた「総額」で比較検討することが、後悔しないお家づくりの鍵となります。
資金計画を立てる際は、何にいくらかかるのかをしっかりと確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、30坪が何平米(㎡)かという基本的な疑問から、具体的な広さのイメージ、そして快適な暮らしを実現するためのヒントをご紹介しました。
坪と平米の正しい知識は、お家づくりにおける最初の重要な一歩です。
「30坪(約100㎡)」という広さが、設計の工夫次第でご家族にとってどれほど豊かで快適な空間になり得るか、お分かりいただけたのではないでしょうか。
私たち大栄建設では、理想的な住まいは理想的な人生をつくってくれると考えます。
お客様の「自分たちらしさ」をカタチにするため、お客様にとって理想的な暮らしを一緒に創造し、デザインと性能の両面からご提案します。
ご紹介したようなアイデアを形にするお手伝いはもちろん、より詳しい資金計画のご相談も承っておりますので、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。