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2025.10.09
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ペットと暮らす家

室内の空気が原因でペットが体調不良に?見落としがちな汚染ポイントと対策を徹底解説

室内の空気が原因でペットが体調不良に?見落としがちな汚染ポイントと対策を徹底解説

お家の中で飼っている大切なペットが、最近なんだか元気がない、咳やくしゃみをしている…そんな症状に心当たりはありませんか?
もしあるなら、その原因は室内の空気環境にあるかもしれません。
人間よりも体が小さく、床に近い場所で過ごすペットは、空気中の汚れの影響を非常に受けやすい存在です。
見落とされがちな空気の汚れが、実はペットの体調不良につながっていることも少なくありません。
今回は、ペットの健康を脅かす室内の空気汚染の原因や体調への影響、そして今日からできる改善対策について詳しくご紹介します。
大切なご家族の一員であるペットが快適に過ごせるよう、一緒に空気環境を見直してみましょう。

実は部屋の空気ってこんなに汚れている

毎日過ごしているお家の空気は、清潔だと思っていませんか?
残念ながら実際には、目に見えないさまざまな汚染物質が漂っています。
多くの研究で、閉め切った室内では屋外から流入する汚染物質に加えて、家庭内で発生するさまざまな汚染物質が蓄積し、屋外よりも空気質が悪化するケースがあると指摘されています。
なぜそんなことになるのでしょうか?
まず、窓や玄関を開ければ、排気ガスや花粉、黄砂、PM2.5などが含まれる外気が室内に入り込んできます。
これに加えて、室内では以下のようなものが空気の汚れの原因となります。

 

・衣類やタオルから出るホコリ
・布団から出るダニの死骸やフン
・調理中に発生する煙や微粒子
・芳香剤や洗剤などの日用品から出る化学成分(VOC)
・人やペットの毛、フケ、垢
・カビの胞子や細菌、ウイルス

 

つまり、普通の生活を送っているだけでも、私たちは常に外気よりも汚れた空気を吸い続けている可能性があるのです。
こうした空気の汚れは、知らず知らずのうちに人やペットの体調へ悪影響を及ぼす可能性があります。

 

散らかったリビングと犬

ペットと空気汚染の関係とは?

ペットが受けやすい空気環境の影響

ペットは人間よりも体が小さく、呼吸数も多いため、空気中の汚染物質を取り込みやすい傾向にあります。
また、床に近い位置で過ごす時間が長いため、ハウスダストや化学物質の影響を強く受けやすくなります。
換気が不十分な空間ではアレルゲンやホコリが滞留しやすく、これらがペットの健康に負担をかける原因となることがあります。

実際に報告されているペットの健康被害

空気環境の悪化により、ペットが咳やくしゃみ、鼻水といった呼吸器の症状を示すケースがあります。
また、皮膚のかゆみや湿疹、さらにはアレルギー反応が現れることも少なくありません。
「なんとなく元気がない」「食欲が落ちている」などの慢性的な体調不良も、空気の質と関係している可能性があります。

小動物やシニアペットへの影響はより深刻に

特にウサギやハムスター、小鳥などの小動物、あるいは高齢のペットは、空気中の微細な汚染物質に対する抵抗力が弱く、より深刻な健康被害を受けるおそれがあります。
免疫機能が低下しているペットにとっては、室内の空気の質は日常的な健康を保つ上で極めて重要な要素です。

 

リビングで寝ている犬

見落とされがちな室内空気汚染の原因

日常生活に潜む汚染源とは?

お家で使う洗剤や芳香剤などの製品には、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる化学物質が含まれており、これらが室内空気を汚染する原因のひとつとなります。
また、建材や家具からはホルムアルデヒドといった有害物質が発生する場合もあり、知らず知らずのうちに空気の質を低下させていることも。
料理中に発生する油煙や微粒子は、換気が不十分な環境では室内にとどまりやすく、ペットの呼吸器に負担をかける原因になります。

関連記事:住宅の空気質を向上させるために知っておきたいVOCの影響と対策

お掃除不足が引き起こすハウスダスト

毎日の暮らしの中で、床やカーペットにはホコリやダニの死骸などが蓄積していきます。
こうしたハウスダストはアレルゲンとなり、ペットの健康を害する恐れがあります。
また、ペット自身の抜け毛やフケも空気中に舞い上がり、知らないうちに呼吸器や皮膚に悪影響を及ぼすことも。
こまめなお掃除や空気清浄機の活用により、室内のアレルゲンを減らす工夫が大切です。

換気不足による空気の滞留

近年のお家は断熱性や気密性が高くなっているため、意識して換気を行わないと空気がこもってしまいがちです。
窓を開ける習慣がないと、二酸化炭素や湿気が室内に溜まり、カビやダニの繁殖を招く原因となります。
たとえ、24時間換気システムが導入されていても、フィルターの詰まりや換気扇の不具合などにより、換気機能が十分に発揮されていないこともあるため、定期的な点検が欠かせません。

 

関連記事:自然換気と機械換気の違いから見る、快適な住環境を実現する最適な換気方法

ホコリだらけの部屋

空気環境がペットに与える具体的な影響

呼吸器系へのダメージ

室内の空気が汚れていると、ペットは咳や喘鳴(ぜんめい)、呼吸のしづらさといった呼吸器系の症状を引き起こす可能性があります。
特に空気が乾燥している環境では、ハウスダストなどの微粒子が舞いやすく、気道を刺激する原因となります。
短頭種(パグやブルドッグなど)はもともと呼吸器が弱いため、こうした空気環境の影響をより強く受けてしまう点に注意が必要です。

皮膚や被毛トラブル

空気中に漂う化学物質やダニ、ホコリは、ペットの皮膚や被毛にも影響を与えることがあります。
これが原因でアレルギー反応を引き起こすと、かゆみや赤み、抜け毛の増加といった症状が見られることもあります。
皮膚を頻繁にかく、舐める、フケが増えるといった変化が見られた場合は、空気の質を見直すタイミングかもしれません。

免疫力の低下や慢性疲労

空気環境の悪化は、ペットの体にとってストレスとなり、免疫力を低下させる一因になります。
とくに長時間にわたって汚れた空気を吸い続けると、体力の回復が遅れ、慢性的な疲労感や体調不良につながる恐れもあります。
睡眠の質が下がることにも影響し、元気がなくなる、動きが鈍くなるといった変化が見られることもあります。

目のトラブルや涙やけ

空気中に含まれるホコリや化学物質が目に入りやすい環境では、ペットの目が赤くなったり、涙が多くなったりすることがあります。
涙の排出の流れのどこかで詰まったりすると、特に小型犬や短頭種では「涙やけ」と呼ばれる症状が目立つことも。
こうした目のトラブルは、室内の空気の質と密接に関係しています。

 

動物病院で獣医師に診察を受ける猫と女性

今すぐできる!空気環境を改善するための5つの対策

1. 換気を習慣化する

室内の空気を入れ替えるためには、意識的な換気が欠かせません。
毎日10〜15分ほど、朝と夕の時間帯に窓を開けて風を通す習慣をつけましょう。
対角線にある2カ所の窓を開けることで、効率よく空気の流れが生まれます。
窓を開けづらい環境では、サーキュレーターや換気扇を併用して空気を循環させると効果的です。
また、24時間換気システムを設置している場合は、フィルターの清掃や定期点検を忘れずに行いましょう。

2. 空気清浄機の導入と適切な配置

ハウスダストや花粉、PM2.5といった微細な粒子を除去するには、HEPAフィルター搭載の空気清浄機が有効です。
特に、大切なペットが長時間過ごすリビングや寝室に設置することで、生活空間の空気を常に清潔に保てます。
ペットは床に近い場所で過ごすことが多いため、空気清浄機は床に直接置くタイプが適しており、ペットの活動範囲に舞う毛やフケ、ハウスダストなどの汚染物質を効率よく吸い込んでくれます。
また、空気清浄機の性能を維持するために、プレフィルターの清掃を月に1回程度行い、メインフィルターは使用状況に応じて清掃・交換することが大切です。

3. お掃除頻度を上げ、床を清潔に保つ

床やカーペットのホコリ、ペットの抜け毛やフケは、毎日の暮らしの中で少しずつ蓄積していきます。
こうした汚れは空気中に舞い上がり、ペットの呼吸器や皮膚に影響を与える原因となります。
そのため、掃除機がけは最低でも週に2〜3回、加えてフローリングワイパーやフローリングの水拭きを行うことで、より確実にアレルゲンを取り除けます。
カーペットやラグも月に1〜2回は洗濯や天日干しを行い、ロボット掃除機やハンディタイプのクリーナーを使えば、負担を減らしてお掃除を継続しやすくなります。

4. 合成化学物質の使用を減らす

室内用の除菌や消臭スプレー、芳香剤などには、ペットの体に負担をかける化学成分が含まれていることがあります。
とくに揮発する成分は空気中に広がり、呼吸器や皮膚に影響を及ぼす恐れも。
日用品を選ぶ際には、無香料・アルコールフリー・天然由来の表示がある製品を優先すると安心です。
また、お掃除用スプレーやワックスなどは、使用後すぐにペットが触れないよう時間を空けるか、しっかりと換気を行うことが大切です。

5. 調湿・除湿の工夫でカビ・ダニ対策

室内の湿度が高すぎるとカビやダニが繁殖しやすく、ペットの健康に悪影響を与える原因となります。
一方で、湿度が低すぎると皮膚や粘膜の乾燥を引き起こし、別の健康リスクを招く可能性があります。
湿度は40〜60%を目安に、湿度計を用いて室内の状態を把握し、季節ごとに除湿機・加湿器を使い分けると効果的です。
また、自然素材である無垢材や塗り壁には優れた調湿作用があり、こうした素材をインテリアに取り入れることで、空気環境をより安定的に整えることができます。

 

窓を開けて自然換気

ペットの健康を守るために、お家の空気を見直そう

ペットの不調の原因が、もしかするとお家の中の“空気の質”にあるかもしれません。
空気は目に見えないためつい見落とされがちですが、ペットにとっては大きな影響を受ける環境要素のひとつです。
私たち人間以上に環境に敏感な存在であるからこそ、日常的な換気やお掃除、使用する製品の見直しが、ペットの健やかな暮らしにつながります。
大切なご家族の一員であるペットの健康を守るためにも、今できることから空気環境を整えてみませんか?