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新築住宅の照明計画はどう立てる?失敗しない種類選びと明るさ設計のポイント
新築の計画を進める中で、間取りや内装と同じくらい暮らしの満足度を左右するのが「照明計画」です。
種類や配置、そして光の色選びひとつで、お部屋の印象はガラリと変わります。
ただ、照明は「その場での過ごし方」を整える大切な役割があるにもかかわらず、図面上では実際の雰囲気がイメージしにくいのも事実です。
そのため、「どの種類の照明を選べばいいかわからない」「本当に明るさが足りるか不安」と悩まれる方も少なくありません。
照明は、単に部屋を明るくするだけでなく、空間の広がりを感じさせたり、家族がリラックスできる雰囲気を作ったりする大切な役割を持っています。
後悔のない家づくりにするために、あらかじめ暮らしに合わせた照明計画を立てておくことが大切です。
今回は、新築住宅における照明計画の基礎知識から、種類ごとの特徴、失敗しないための明るさ設計のポイントまで、わかりやすく解説します。
【この記事のポイント】
- どこから考えればいい?:照明計画の基本となる“はじめの一手”を整理します。
- 各部屋で何を優先する?:ダウンライトやペンダントライトなど、目的(作業・団らん・休息)に合わせた選び方を解説します。
- 明るさはどう決める?:快適に暮らすための目安(明るさの基準)と、色選びで失敗しないコツを押さえます。
- 実際の暮らしはどうなる?:リビング・キッチン・寝室の実例を通して、具体的な検討ポイントをご紹介します。
目次
新築で後悔しないために知っておきたい「照明計画」の基本
照明計画とは、単に照明器具を選ぶことだけではなく、「どのような暮らしをしたいか」に合わせて光をデザインすることです。
ここではまず、計画を立てる前に知っておきたい基本的な考え方についてお話しします。
照明計画は「一室多灯」がトレンド
かつては、お部屋の真ん中に大きなシーリングライトを一つ設置して、部屋全体を均一に明るくする「一室一灯」が主流でした。
しかし最近の新築住宅では、用途に合わせて複数の照明を組み合わせる「一室多灯(いっしつたとう)」が、無理なく暮らしの満足度を上げられる方法として選ばれています。
ダウンライトでベースの明るさを確保しつつ、ペンダントライトで食卓を照らしたり、スポットライトで壁のアートを強調したりすることで、おしゃれでメリハリのある空間が生まれます。
シーンに合わせて点灯する照明を変えることで、省エネにもつながるというメリットがあります。
💡 家づくりミニ知識:一室多灯(いっしつたとう)とは?
ひとつの部屋に、複数の照明器具を設置する手法のことです。
天井のメイン照明だけでなく、壁付けのブラケットライトや、床置きのスタンドライトなどを組み合わせることで、シーンに合わせて明るさや雰囲気を調整できるのが特徴です。
ホテルのようなリラックス空間を作りたい方におすすめの手法です。
早めの計画スタートが成功のカギ
照明計画は、間取りがある程度決まった段階でスタートするのが理想的です。
なぜなら、照明の位置は家具の配置やコンセントの位置と密接に関係しているからです。
建築が進んで配線工事が終わってからでは、「ここに照明が欲しかった」「スイッチの場所が不便」といった変更に対応するのが難しくなってしまいます。
家具の置き場や作業の流れが見えてきたタイミングで、照明の位置・スイッチの場所・コンセントの配置までまとめて確認していくと、後からの“困りごと”をぐっと減らせます。
関連記事:後悔しない家づくりの鉄則!失敗事例から学ぶ間取り・土地・資金・会社選びの成功術

照明の種類と特徴を知ろう!メリット・デメリット徹底比較
照明器具にはさまざまな種類があり、それぞれ得意な役割が異なります。
適材適所で使い分けることが、快適な照明計画の第一歩です。
ここでは、新築住宅でよく使われる代表的な4つの照明について解説します。
1. シーリングライト

天井に直接貼り付けるように設置する、最もポピュラーな照明器具です。
部屋全体の“基準となる明るさ”を確保するのが得意な照明です。
これ1台でメインにするだけでなく、明るさを抑えて他の照明と組み合わせる「ベース照明」としても活躍します。
メリット
1台で十分な明るさを確保でき、コストパフォーマンスに優れています。
最近では薄型でスタイリッシュなデザインや、調光・調色機能がついた高機能なタイプも増えています。
デメリット
部屋全体が均一に明るくなるため、陰影がなく平坦な印象になりがちです。
おしゃれな雰囲気を演出したい場合は、他の照明と組み合わせる工夫が必要です。
2. ダウンライト

天井に穴を開けて埋め込むタイプの小型照明です。
器具が目立たず、天井面がフラットになるため、空間を広くすっきりと見せることができます。
メリット
廊下やトイレなどの狭いスペースから、リビングの補助照明まで幅広く使えます。
複数個を並べて配置することで、リズム感のある空間デザインが可能になります。
デメリット
埋め込み式のため、建築後に位置を変更したり数を増やしたりすることが難しいです。
また、真下を照らす性質があるため、配置によっては顔に影ができやすくなることがあります。
そのため、失敗を防ぐためには、設計段階で綿密な配灯計画を練っておくことが重要です。
💡 家づくりミニ知識:配灯計画とは?
どの場所に、どの種類の照明を、どれくらいの明るさで配置するかを決める設計図のことです。
特にダウンライトの場合、家具の位置やエアコンとの干渉などを考慮して緻密に決める必要があります。
専門家の意見を聞きながら、生活動線に合わせて計画しましょう。
3. ペンダントライト

天井からコードやチェーンで吊り下げるタイプの照明です。
光源が目線に近くなるため、インテリアのアクセントとして非常に人気があります。
メリット
デザインのバリエーションが豊富で、お部屋に個性を出しやすいのが魅力です。
ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターの上などに設置すると、手元を明るく照らしつつ、料理をおいしく見せる効果も期待できます。
デメリット
吊り下げる高さによっては、視界を遮ったり、頭をぶつけたりする可能性があります。
また、照らす範囲が比較的狭いため、これだけで部屋全体を明るくすることには不向きです。
4. スポットライト

特定の場所を集中的に照らすための照明です。
壁に飾った絵画や観葉植物を照らしたり、天井や壁に光を当てて間接照明として楽しんだりすることができます。
メリット
光の向きを自由に変えられるタイプが多く、模様替えに合わせて調整しやすいのが特徴です。
ライティングレール(ダクトレール)と組み合わせれば、位置の移動や数の増減も簡単に行えます。
デメリット
強い光が出るため、直接光源を見ると眩しさを感じることがあります。
設置する位置や角度には配慮が必要です。
関連記事:オープンキッチンをお考えの方へ!照明の選び方をご紹介します!

失敗しない「明るさ設計」と「光の色」の選び方
照明器具のデザインと同じくらい重要なのが、「明るさ(光の量)」と「光の色(色温度)」の選び方です。
「思ったより暗かった」「色が落ち着かない」といった失敗を防ぐためのポイントをご紹介します。
部屋の広さと用途に合わせた明るさを確保する
必要な明るさは、部屋の広さ(畳数)によってある程度の目安があります。
例えば、日本照明工業会が定めている基準(LED照明器具の適用畳数について)では、以下のような明るさ(ルーメン値)が推奨されています。
ただし、床や壁の色によって感じ方は変わるため、以下の数値はあくまで“設計の出発点”として参考にしてください。
| 部屋の広さ(畳数) | 標準的な明るさ | 明るさの範囲 |
|---|---|---|
| ~4.5畳(約7㎡) | 2,700lm | 2,200〜3,199lm |
| ~6畳(約10㎡) | 3,200lm | 2,700〜3,699lm |
| ~8畳(約13㎡) | 3,800lm | 3,300〜4,299lm |
| ~10畳(約16㎡) | 4,400lm | 3,900〜4,899lm |
| ~12畳(約19㎡) | 5,000lm | 4,500〜5,499lm |
| ~14畳(約23㎡) | 5,600lm | 5,100〜6,099lm |
※lm(ルーメン)とは、照明器具から出る光の量(明るさ)を表す単位のことです。数値が大きいほど明るくなります。
壁紙や床の色がダークブラウンやグレーなどの暗めのトーンであれば光を吸収してしまうため、表の基準よりもワンランク上の明るさを選ぶ必要があります。
また、年齢を重ねるとより多くの明るさを必要とする傾向があるため、将来を見据えて調光機能(明るさを調整できる機能)付きの照明を選んでおくと安心です。
お部屋の雰囲気を決める「色温度」の使い分け
照明が放つ光の色味は、赤みがかった色から青みがかった色まで細かく分かれています。
これを数値化したものを色温度(ケルビン)といいます。
一般的な住宅用の照明器具や電球では、選びやすいように「電球色(オレンジっぽい色)」「昼白色(自然な白)」「昼光色(青白い色)」の3種類に大きく分類されています。
それぞれの特徴を知って、お部屋の用途に合わせて使い分けることが大切です。
電球色(でんきゅうしょく)
温かみのあるオレンジ色の光です。
リラックス効果が高いため、リビング、寝室、和室、お風呂、トイレなどに適しています。
料理をおいしく見せる効果もあるので、ダイニングにもおすすめです。
昼白色(ちゅうはくしょく)
太陽光に近い自然な白色の光です。
人にとって最も慣れ親しんだ光の色で、どんな部屋にも馴染みます。
メイクをする洗面所や、洋服の色を確認するクローゼットなどに最適です。
昼光色(ちゅうこうしょく)
少し青みがかった、すっきりとした光です。
集中力を高める効果があるため、子供部屋の勉強スペースや書斎、手元で細かい作業をする場所に向いています。
💡 家づくりミニ知識:調色(ちょうしょく)機能とは?
スイッチやリモコンひとつで、光の色を自由に変えられる機能のことです。
例えばリビングなら、お子様が宿題をする時間は「白い光」で集中モードに、夜の団らんタイムは「オレンジの光」でリラックスモードに切り替えることができます。
一つの部屋で多様な過ごし方をするLDKにはおすすめの機能です。
関連記事:おしゃれなリビングの作り方!センスに頼らない誰でもできる空間デザイン術

部屋別!新築照明計画の成功事例とポイント
ここからは、具体的な部屋ごとの照明計画のポイントをご紹介します。
それぞれの場所でどのような過ごし方をするかをイメージしながらご覧ください。
家族が集まる「リビング・ダイニング」
リビングは家族が一番長く過ごす場所であり、テレビを見たり、読書をしたり、くつろいだりと目的もさまざまです。
そのため、複数の照明を組み合わせる「一室多灯」が最も効果を発揮します。
全体を照らすシーリングライトやダウンライトをベースにしつつ、テレビの背面を照らす間接照明や、ソファの横にフロアスタンドを置くなどの工夫をすると、空間に奥行きが生まれます。
ダイニングテーブルの上には、テーブルのサイズに合わせたペンダントライトを設置すると、食卓が華やかになります。
ポイント
リビングとダイニングの照明スイッチを分けておくと便利です。
食事の後はダイニングの照明を落とし、リビングの間接照明だけで過ごすと、落ち着いた大人の時間を楽しめます。
作業効率とデザインを両立する「キッチン」
キッチンでは、包丁を使ったり火を使ったりするため、手元の明るさをしっかり確保することが最優先です。
影ができにくい位置にダウンライトを配置するか、手元灯としてスポットライトやペンダントライトを追加しましょう。
最近人気の対面キッチンやオープンキッチンの場合、リビング・ダイニングからキッチンが見えるため、インテリアとしての統一感も重要です。
ペンダントライトを複数並べる場合は、小ぶりなものを選ぶとうるさくなりすぎず、おしゃれにまとまります。
関連記事:新築のキッチンで失敗したくない方必見!ポイントをご紹介します!
癒しの時間を演出する「寝室」
寝室は一日の疲れを癒やし、睡眠をとるための場所ですので、眩しさを抑えた計画が重要です。
ベッドに横になったとき、照明の光が直接目に入らないように注意しましょう。
おすすめは、光源が直接見えない間接照明や、足元を照らすフットライトです。
もしダウンライトを採用する場合は、ベッドの真上を避けて足元側に配置するか、光の向きを変えられるユニバーサルダウンライトを選ぶと良いでしょう。
手元で操作できるリモコンスイッチや、入口と枕元の両方で操作できる「3路(さんろ)スイッチ」にしておくと便利です。
💡 家づくりミニ知識:3路スイッチとは?
2箇所のスイッチで、1つの照明をON/OFFできる配線方法のことです。
寝室の「入口と枕元」以外にも、階段の「1階と2階」や、長い廊下の「端と端」などによく採用されます。
移動するたびに戻って消す必要がないため、生活動線をスムーズにするためには欠かせない設備です。
関連記事:新築住宅の家づくりで、考えておきたいコンセントの位置と注意点
家の顔となる「玄関・アプローチ」
玄関は家の第一印象を決める場所です。
内玄関は、明るすぎず暗すぎない、温かみのある光で迎えるのがおすすめです。
人感センサー付きのダウンライトなら、荷物で両手がふさがっていても自動で点灯するので非常に便利です。
外玄関(アプローチ)の照明は、防犯面でも重要な役割を果たします。
夜間に人が近づくとパッと明るくなる人感センサー付きのポーチライトを選べば、家族の帰宅を知らせてくれるだけでなく、不審者への対策にもなります。
関連記事:玄関ポーチでよくある後悔とは?失敗しないためのポイントやあると便利なものをご紹介します!

新築照明計画でよくある疑問と解決策|Q&A
照明計画について、お客様からよくいただくご質問にお答えします。
- Q. ダウンライトの交換は自分でできますか?
- A. 器具のタイプによって異なります。
- 「交換型」のダウンライトであれば、電球をご自身で交換可能です。
しかし、現在主流の「LED一体型」の場合は、電球だけでなく器具ごとの交換が必要になるため、電気工事士の資格を持つ専門業者への依頼が必要です。
一体型の方が寿命が長く、デザインもすっきりしていますが、将来的な交換費用も考慮して選ぶことをおすすめします。 - 関連記事:新築のダウンライトはLED一体型と交換型どっちが正解?15年後のトータルコストと将来リスクを徹底比較
- Q. 吹き抜け天井の照明はどうすればいいですか?
- A. メンテナンス性を考慮した計画が必要です。
- 高い位置にある照明は電球交換や掃除が大変なため、電動昇降機付きの照明を採用するか、脚立で届く範囲の壁にブラケットライトを設置する方法が一般的です。
また、下から上を照らすスポットライトや、梁(はり)を利用したライティングレールを活用すると、空間の広がりを演出できます。 - Q. おしゃれな照明にしたいけれど、センスに自信がありません。
- A. まずは「統一感」から整えるのが失敗しにくい方法です。
- 器具の色(白・黒・真鍮など)を軸に、同じ方向性の素材を揃えるだけでも、まとまりが出てぐっとおしゃれに見えます。
また、工務店に相談すれば、好みの雰囲気に合わせた候補をいくつかピックアップして比較することも可能です。
具体的なイメージ写真(Instagramなど)があれば、よりスムーズに理想のプランを共有できます。

まとめ|SUMMARY
今回は、新築住宅の照明計画について、種類選びや明るさ設計のポイントをご紹介しました。
照明は、家の快適性や雰囲気を大きく左右する重要な要素です。
「明るければなんでもいい」と後回しにせず、どのような暮らしを送りたいかをイメージしながら丁寧に計画を立てることが成功への近道です。
トレンドの「一室多灯」を取り入れればシーンに合わせた光の演出が楽しめますし、部屋の用途に合った「光の色」や「明るさ」を選ぶことで、日々の快適性は大きく向上します。
また、家具の配置が決まった段階で配線計画と合わせて検討することで、失敗のリスクをぐっと減らすことができるでしょう。
これらを意識するだけで、お家づくりはぐっと楽しく、そして満足度の高いものになるはずです。
私たち大栄建設では、お客様のライフスタイルに合わせた、暮らしにそのまま落とし込める照明プランをご提案しています。
照明の位置はもちろん、スイッチの使い勝手まで含めてトータルでサポートいたします。
図面だけでは分かりにくい光のイメージについても、施工事例などを交えてわかりやすくご説明いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
