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2025.08.01

2027年から始まる「新ZEH(GX ZEH)」とは?未来のお家づくりの新常識を徹底解説

2027年から始まる「新ZEH(GX ZEH)」とは?未来のお家づくりの新常識を徹底解説

「2027年から、お家づくりの基準が厳しくなるって本当?」
「新しい基準のZEH(ゼッチ)って、今までのZEHと何が違うの?」

これからマイホームをお考えの皆様にとって、お家の「省エネ性能」は、光熱費や日々の快適な暮らしに直結する、非常に大切なポイントです。
近年、地球温暖化対策やエネルギー価格の高騰を背景に、住宅の省エネ化は国を挙げて推進されており、その基準は年々厳しくなっています。
実は今、省エネ住宅の代表である「ZEH(ゼッチ)」が、「GX(グリーントランスフォーメーション)」という新しい考え方を取り入れ、より高性能なものへと進化しようとしています。
今回は、2027年からの本格適用が予定されている「新ZEH」、正式には「GX ZEH」について、お家づくりを始める前に知っておきたい情報を詳しく解説します。

 

そもそも「ZEH(ゼッチ)」とは?

まず、基本となる「ZEH」について解説します。
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略です。
お家の断熱性能を上げ、省エネ設備を使うことでエネルギー消費を減らし、さらに太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量の収支を「ゼロ」以下にすることを目指す住宅のことを指します。
簡単に言うと、以下の3つの要素を組み合わせたお家です。

 

【断熱】:高断熱な壁や窓で、お家を魔法瓶のように包み込む
【省エネ】:高効率なエアコンや給湯器で、使うエネルギーを減らす
【創エネ】:太陽光発電などで、お家で使うエネルギーを創り出す

 

この3つで、環境にもお財布にも優しい暮らしを実現することが、ZEHです。

ZEH(ゼッチ)の仕組みを表すイラスト。家の断面図で「断熱」「省エネ」「創エネ」の3要素を解説。

2027年から始まる「新ZEH」とは?

新ZEHとは、現行のZEHが、GX(グリーントランスフォーメーション)の考え方を取り入れて、より高性能で賢いお家へと進化する、新しいZEHの定義です。
「GX」とは、簡単に言えば「太陽光などで創ったクリーンなエネルギーを、社会全体で最大限活用していこう」という考え方。
お家づくりにおいては、「太陽光で創った電気を、売るだけでなく、お家や電気自動車(EV)で上手に使い切る仕組み」が、これまで以上に重要視されるようになります。
新ZEHの名称については、現行との違いが分かるようにするため「GX ZEH」及び「GX ZEH-M(ゼッチ・マンション)」となります。

現行ZEHと「GX ZEH」は、具体的にここが変わる!

では、2027年から適用される「GX ZEH」は、具体的に何が変わるのでしょうか。
一番のポイントは、「省エネ性能のさらなる強化」と「創った電気を賢く使い切る仕組みの導入」です。

 

現行ZEHと新ZEH(GX ZEH)の性能基準比較表

出典:経済産業省「更なる省エネ・非化石転換・DRの促進に向けた政策について」

① 断熱性能:断熱等性能等級6以上

現行のZEHは、断熱性能は「断熱等級5」ですが、GX ZEHではさらに上の「断熱等級6」へと引き上げられます。
断熱等級6というのは、現在、国の補助金が出ているGX志向型住宅と同じ水準となります。

② 省エネ性能:エネルギー削減率35%以上

お家で使うエネルギーをどれだけ減らせるかを示す「一次エネルギー消費量削減率」は、現行の20%から35%へと大幅にアップします。
専門的にはBEIというお家の燃費性能を表す数値が、これまでの「0.80」以下から「0.65」以下へと、より厳しい基準になります。
これは、より高性能なエアコンや熱を逃しにくい給湯器、LED照明などを採用しなければ達成できない、非常に高いレベルの省エネ性能です。
こちらもGX志向型住宅と同じ水準になります。

③ 設備要件:「HEMS」と「蓄電池」が必須に

GX ZEHで特に大きな変化が、「高度エネルギーマネジメント」と「蓄電池」が実質的に必須となる点です。

・高度エネルギーマネジメント(HEMSなど)

戸建住宅を対象に、高度エネルギーマネジメントの導入が必須となります。
高度エネルギーマネジメントとは、HEMS(ヘムス)により、お家全体の電気の流れを"見える化"し、自動で賢くコントロールしてくれる司令塔のようなシステムです。
無駄な電気を使わないよう、かしこく省エネをサポートしてくれます。

・蓄電池

戸建住宅を対象に、太陽光で創った電気を貯めておく、容量5kWh以上の蓄電池の導入が必須となります。
これにより、太陽が沈んだ夜間や発電量の少ない雨の日でも、貯めておいた電気で生活しやすくなり、電力会社から買う電気を大幅に減らすことができます。

さらに、電気自動車(EV)用の充電器や、車を"動く蓄電池"として使うV2Hの導入も推奨されており、お家と車が連携する未来の暮らしがより身近になります。

④ 再エネ要件:エネルギー収支を「ゼロ」から「プラス」へ

ZEHの根幹である「再エネ要件」も、新しい基準ではその定義が見直され、より高い水準が設定されます。
これまでのZEHでは、太陽光発電などで創るエネルギー(創エネ)と、お家で消費するエネルギー(省エネ)を差し引いて、おおむねゼロにすることを目指す「100%削減」が基準でした。
GX ZEHでは、この考え方を踏襲しつつ、より高い再エネ導入とエネルギー自給を目指す上位グレードとして「GX ZEH+」が新設されます。

グレード 再エネを含んだ一次エネルギー消費量削減率 概要
GX ZEH 100%~115%未満 これまでのZEHと同様、エネルギー収支ゼロを目指す。
GX ZEH+ 115%以上 エネルギー収支をゼロにするだけでなく、プラスにすることを目指す。

 

つまり、「GX ZEH」では、年間のエネルギー収支を「ゼロ」にすることが基本ですが、「GX ZEH+」は、さらに多くの太陽光発電を搭載するなどして、お家で使うエネルギーを上回るエネルギーを創り出す「プラス」の状態を目指します。
これは、単に消費を抑えるだけでなく、お家自体がクリーンな電力を生み出し、社会全体に貢献する「小さな発電所」としての役割を担うという、国の目指すエネルギー政策を反映したものです。
「GX ZEH+」を選ぶことで、将来的な売電収入の増加や、より高い環境貢献性といったメリットが期待できます。

 

スマートフォンでHEMSアプリを操作し、GX ZEH住宅のエネルギー状況を確認する男性

基準見直しのスケジュール

「GX ZEH」は、2027年度から認証開始される予定です。
そして、現行のZEHは2027年度を期限に新規認証が停止されます。

 

新ZEH認証開始と現行ZEH新規認証停止のスケジュール

 

「GX ZEH」でお家を建てる、本当のメリットとは?

GX ZEHになると、建築時のコストは上昇しますが、それを上回る経済的メリットと、安心で快適な未来の暮らしが手に入ります。
これからお家を建てる方が知っておくべき、本当のメリットを見ていきましょう。

メリット①:光熱費を極限まで抑え、家計がもっと楽になる

省エネ性能が「35%削減」にまで高まることで、冷暖房などに使う電気の量がさらに減ります。
加えて、「蓄電池」が必須となることで、昼間に創った電気を夜間に使えるようになり、電力会社から電気を買う量を極限まで減らすことが可能です。
これから先、電気代がどれだけ上がっても影響を受けにくい、安心した家計の実現に繋がります。

メリット②:災害時にも電気が使える「もしも」への備え

日本は自然災害の多い国です。
地震や台風で大規模な停電が起きても、太陽光発電と「蓄電池」があれば、お家で電気を使い続けることが可能になります。
スマートフォンの充電はもちろん、テレビで情報を得たり、冷蔵庫や最低限の家電を動かしたりできる安心感は、何物にも代えがたい大きなメリットです。

メリット③:未来のスタンダードを先取りし、資産価値を高める

2030年には、現行ZEHに近いレベルが"最低基準"になる予定です。
つまり、今、中途半端な性能の家を建ててしまうと、数年後には「基準を満たさない家」として資産価値が大きく下がってしまう恐れがあります。
2027年からの未来の基準である「GX ZEH」でお家を建てることは、長く価値が落ちない、賢い資産を持つことに直結します。

デメリット:建築コストの上昇とその対策

高性能な断熱材や窓、高効率な設備、そして蓄電池などを導入するため、建築コストはどうしても上がってしまいます。
しかし、国もその点を理解しており、初期投資の負担を軽くするための制度を用意しています。

●住宅ローン減税の優遇

省エネ性能の高いお家を対象として、住宅ローン控除(減税)で税金が戻ってきます。
「GX ZEH」のような高性能住宅は、国からも手厚いサポートが受けられます。

●補助金制度の活用

国は、高性能な省エネ住宅の普及のためにさまざまな補助金制度を用意しています(例:「子育てグリーン住宅支援事業」など)。
特に「GX ZEH」レベルの住宅は、より手厚い補助金の対象となる可能性が高いため、制度を上手に活用すれば、建築コストの負担を大きく減らすことが可能です。
建築時のコストだけでなく、住み始めてから30年以上払い続ける光熱費(ランニングコスト)と、国からのサポートをトータルで考えることが、賢いお家づくりのカギとなります。

 

GX ZEH住宅の断熱等級6で実現する、明るく快適なリビングでくつろぐ家族。

2027年を見据えた「未来志向のお家づくり」を始めませんか?

今回は、2027年から本格的に始まる「新ZEH(GX ZEH)」について解説しました。
お家づくりのルールは、私たちが思う以上に早いスピードで、より良いものへと進化しています。
今、お家づくりを考えるなら、数年で「時代遅れ」になってしまう基準ではなく、未来の「当たり前」を先取りした、ご家族の暮らしと資産を末永く守るお家を建てることが、何よりも重要です。

 

私たち大栄建設は、こうした国の最新の動きをいち早く捉え、新しい「GX ZEH」基準にも対応した、高性能なお家づくりをご提案しています。

「私たちのライフスタイルに合うのは、どんな家?」
「補助金について、もっと詳しく教えてほしい」
「電気自動車と連携したお家って、どんな感じ?」

 

どんな些細な疑問やご不安でも大歓迎です。
ご家族の未来の笑顔のために、最高のお家づくりを私たちと一緒にはじめませんか?
どうぞお気軽に、お問い合わせやモデルハウスへお越しください。

 

モデルハウスの玄関で、来場した若い夫婦を丁寧にお辞儀をして出迎える女性スタッフ。