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リビングの広さは平均では決められない?家族構成・家具から逆算する“ちょうどいい広さ”の決め方
ご家族が集まるリビングやLDKは、できれば広々として明るく、開放感のある空間にしたいと考える方はたくさんいらっしゃいます。
家づくりを始めると、多くのご家族が「我が家の場合は、LDKに何帖を確保すればいいのだろうか」「間取り図の広さだけで、本当に開放感のある暮らしができるのだろうか」という不安に直面します。
リビングの広さに迷ったとき、多くの人が陥るのが「平均帖数」という数字の罠です。
本当に快適な空間は、平均値からではなく、ご家族が使う家具のサイズと、日々の生活動線から逆算することで初めて導き出されます。
今回は、数字の目安だけに頼るのではなく、ご家族の実際の暮らしを紐解きながら、心から安らげる“ちょうどいい広さ”を見つけるための具体的な設計思考をお伝えします。
図面上の数字に惑わされない、失敗のない間取りの正解を一緒に導き出しましょう。
【この記事のポイント】
- 一般的な広さの目安を確認しつつ、それだけでは不十分な理由を知りましょう
- 置きたいソファやテレビの距離、通路幅から必要な広さを逆算することが大切です
- キッチンの種類(対面や壁付けなど)によって、リビングに使える広さが変わる点に注意しましょう
- 広さの正解はご家族ごとに違うため、実際の生活を想像して無理のない計画を立てていきましょう
目次
リビングやLDKの広さは何帖が平均?目安と理想の広さを考えるコツ
家づくりを始める際、多くの方がひとつの指標とするのがLDKの平均的な広さです。
しかし、実は「平均の帖数」が、そのまま「ご家族にとっての正解」とは限りません。
平均的な数値をひとつの目安として活用することは大切ですが、本当に心地よい空間を作るためには、そこからさらにご家族の家具や暮らし方に合わせて、必要な広さを「逆算」して導き出す視点が必要です。
ここでは、平均的な数値を確認しながら、ご家族ごとの暮らしにフィットする空間の考え方をお伝えします。
家族の人数から考えるLDKの広さの目安
一般的な戸建て住宅の場合、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)の広さは16帖から20帖程度確保されるケースが一般的です。
たとえば、3人家族であれば16帖から18帖程度、4人家族であれば18帖から20帖程度が一つの目安としてよく挙げられます。
しかし、この帖数はあくまでも一般的な基準に過ぎません。
ライフスタイルやご家族の過ごし方によっては、16帖でも家具をコンパクトにまとめて十分ゆったりと暮らせるご家庭もあれば、20帖の広さがあっても、大型の家具や趣味の道具が多くて少し手狭に感じてしまうご家庭もあります。
💡家づくりミニ知識:LDKとは?
LDKは、リビング(居間)、ダイニング(食事室)、キッチン(台所)が一つながりになった空間のことです。近年は、料理をしながらご家族と会話ができる対面キッチンが人気を集めており、空間を仕切らないLDKスタイルが主流となっています。間取り図で「LDK」と記載されている場合、キッチン部分の面積も含まれているため、くつろぐための「リビング単体の広さ」ではない点に注意して図面を見るようにしましょう。
国土交通省のデータから見る居住面積の考え方
住宅の広さを考える際の一つの客観的な基準として、国土交通省が公表している「住生活基本計画」における居住面積水準というデータがあります。
これによると、多様なライフスタイルを想定し、豊かな住生活を実現するために必要と考えられる戸建て住宅の面積は、3人家族で100平方メートル(約30坪)、4人家族で125平方メートル(約37.8坪)とされています。
このデータは家全体の総面積を示したものですが、家全体の面積が広ければ、当然リビングにあてられる面積も広く取りやすくなります。
一方で、限られた敷地面積の中でLDKだけを過剰に広くしてしまうと、お風呂や洗面所、玄関といった他の大切なスペースが圧迫されてしまうことも考えられます。
家全体の生活動線やバランスを考慮しながら、無理のない範囲でLDKの広さを配分していくことが、長く快適に暮らすための大切なポイントです。
💡家づくりミニ知識:居住面積水準とは?
居住面積水準とは、国が定めている「世帯人数に応じた住まいの広さの目安」のことです。
この基準には、健康的で最低限必要とされる広さを示す「最低居住面積水準」と、よりゆとりある豊かな暮らしを想定した「誘導居住面積水準」の2種類があります。
家づくりでは、「どの程度のゆとりを求めるか」を考える際の、一つの客観的な基準として活用できます。
| 世帯人数 | 最低居住面積水準 | 誘導居住面積水準(一般型) | 誘導居住面積水準(都市居住型) |
|---|---|---|---|
| 1人 | 25㎡ | 55㎡ | 40㎡ |
| 2人 | 30㎡ | 75㎡ | 55㎡ |
| 3人 | 40㎡ | 100㎡ | 75㎡ |
| 4人 | 50㎡ | 125㎡ | 95㎡ |
| 5人 | 60㎡ | 150㎡ | 115㎡ |
| 6人 | 70㎡ | 175㎡ | 135㎡ |
※注:誘導居住面積水準は「豊かな住生活」を実現するための目安です。
平均値の落とし穴!「帖数=体感的な広さ」ではない理由
広さを検討する際、「とりあえず平均的な18帖にしておけば安心だろう」と考えてしまうケースがあります。
しかし、同じ18帖のLDKであっても、部屋の形や窓の位置によって、体感的な広さや使い勝手は大きく変わるという傾向があります。
部屋の形が与える影響
たとえば、長方形の18帖と、正方形に近い18帖では、家具の配置のしやすさが異なります。
長方形であれば、キッチン、ダイニング、リビングと空間を縦にまっすぐ分けやすく、生活の用途ごとにエリアをすっきりと整理しやすいという特徴があります。
一方で正方形に近い場合、空間の中央に余白ができやすく、全体が見渡せる開放感を得やすい反面、テレビとソファの適切な距離を保つための配置に工夫が必要になることがあります。
また、窓の大きさや数、天井の高さによっても空間の広がり方は変わります。
間取り図に書かれた数字だけで判断するのではなく、「どのような形の空間になるのか」「どこから光が入るのか」を立体的にイメージすることが、快適なリビングづくりの始まりです。
つまり、リビングの広さは「平均の帖数」だけで決めるのではなく、置きたい家具のサイズやご家族の生活動線から逆算して導き出すことが、後悔しない家づくりの大切な一歩となります。
関連記事:4人家族の家は「平均坪数」だけで決めると後悔する?30坪で快適に暮らすための4つの間取り基準

失敗しない!家具と生活動線から「逆算」するリビング設計
リビングの最適な広さを見つけるために最も確実な方法は、平均値に合わせることではなく、ご自身が「置きたい家具」や「歩くためのスペース」から必要な面積を逆算することです。
ソファとテレビの「適切な距離」を確保する
リビングの主役となる家具といえば、ソファとテレビです。
これらの家具をどのように配置するかで、くつろぎやすさが大きく変わります。
一般的な3人掛けソファの幅は180cmから200cm程度、奥行きは80cmから90cm程度あります。
これに加えて、テレビをリラックスして視聴するための適切な距離を確保する必要があります。
現在主流となっている4K対応の大型テレビ(50インチ〜60インチ程度)の場合、画面の高さの約1.5倍、つまり約100cmから120cm程度が最適な視聴距離の目安とされています。
※お部屋の形や、ご家族がどのようなスタイルでテレビをご覧になるかによって、心地よい距離感は変わります。
しかし、実際の生活では、これにソファ自体の奥行きや、テレビボードの奥行き(約40cm〜50cm)を足し、さらにソファとテレビの間を人が通るためのゆとりを持たせると、ソファの背面からテレビ側の壁まで、少なくとも250cmから300cm程度の空間が必要になります。
この距離を計算せずに間取りを決めてしまうと、実際に家具を置いた時にテレビが近すぎて目が疲れてしまったり、ソファが大きすぎて部屋全体を圧迫してしまったりすることがあるため、事前にしっかりと家具のサイズを採寸しておくことをおすすめします。
ダイニングテーブルのサイズと必要な「通路幅」
リビングに続いて、ダイニングスペースの広さも逆算して考えてみましょう。
4人掛けのダイニングテーブルを置く場合、テーブル自体のサイズは幅135cmから150cm、奥行きは80cm程度が一般的です。
ここで間取りを考える際に見落としがちなのが、椅子を引いて座るためのスペースと、人がすれ違うための通路幅です。
椅子を後ろに引いて座るためには、テーブルの端から壁や他の家具まで、最低でも約60cmから80cmのスペースが必要です。
さらに、誰かが座っている状態の椅子の後ろを、別の人が配膳や片付けのために通る生活動線を確保するには、約100cm以上のゆとりを持たせておくと、日々の暮らしがとてもスムーズになります。
日々の生活では、朝の忙しい時間帯にご家族がダイニング周りを頻繁に行き来します。
そのため、テーブルの大きさだけでなく、周囲を歩くための動線をしっかりと図面に書き込み、無理なく移動できるかを確かめることが大切です。
ごちゃつかない空間を作るための「+αの収納スペース」
リビングを計画する際、どうしても床の広さや家具の配置に目が行きがちですが、すっきりとした心地よい空間を保つためには収納スペースからの逆算も欠かせません。
リビングは、郵便物や文房具、お子様のおもちゃ、掃除機などの家電類など、日常的に使う細々としたものが集まりやすい場所です。
リビングに十分な帖数を確保できたとしても、収納スペースが足りずに物が外に溢れてしまうと、結果的に生活できる床面積が狭くなってしまいます。
リビングの一角に0.5帖から1帖程度のちょっとした収納(リビングクローゼット)を設けたり、壁面に造作の収納棚を組み込んだりすることで、床に物を置かないスッキリとした生活を実現しやすくなります。
収納のための面積を少し割いてでも、しまう場所をあらかじめ設計に組み込んでおくことが、空間を広く見せ、長く快適に暮らすための秘訣です。
関連記事:生活動線を考慮しないとどうなる?考え方を解説します!

キッチンの選び方で変わる「ちょうどいいLDK」のバランス
LDKの広さを決める際、意外と盲点になりやすいのがキッチンの選び方です。
実は、キッチンの形状を先に決めておくことで、残りのリビングやダイニングにどれだけの広さをあてられるかが明確になり、理想の間取りから逆算しやすくなります。
どのようなキッチンを選ぶかによって、空間の配分が大きく変わる点を確認していきましょう。
人気の対面キッチンに必要な広さと注意点
近年、特にお子様がいるご家庭を中心に人気を集めているのが、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンといった「対面型」のスタイルです。
お料理や洗い物をしながらご家族の様子を見守ることができ、コミュニケーションが取りやすいという大きな魅力があります。
しかし、対面キッチンは壁付けタイプのキッチンに比べて、多くの床面積を必要とします。
特に、左右から行き来できるアイランドキッチンの場合、キッチンの両側に人が通れる通路を確保しなければならないため、LDK全体のうち、キッチンスペースだけで約4.5帖から6帖ほどの広さを占めるケースが一般的です。
たとえば、LDK全体が16帖の場合、アイランドキッチンを採用すると、リビングとダイニングに使える広さは10帖から11帖程度となり、大きめのソファやダイニングテーブルを両方ともゆったり置くのが難しくなることがあります。
対面キッチンを希望される場合は、LDK全体の中でキッチンが占める面積を把握し、残りのスペースでどのような団らんを楽しみたいか、優先順位を整理しておくことが理想の空間づくりへの近道です。
壁付けキッチンでリビング空間を広く使う工夫
限られた坪数の中で、少しでもリビングとダイニングのくつろぎスペースを広く確保したいとお考えの場合は、壁付けキッチンを選ぶのも一つの選択肢です。
壁付けキッチンは、その名の通り壁に向かって調理をするスタイルのため、キッチン自体が占有する面積を最小限に抑えることができます。
キッチンの背面にすぐダイニングテーブルを配置できるため、出来上がったお料理の配膳や、食後の片付けの動線が短くなり、毎日の家事負担を軽くできるというメリットもあります。
また、余ったスペースをリビングにあてることで、大きめのソファを置いたり、お子様が自由に遊べるキッズスペースを作ったりと、空間にゆとりを持たせることが可能になります。
お料理中の視線が壁に向くため、インテリア性の高い美しいタイルを貼ったり、明るい光が入るお気に入りの窓を設けたりして、毎日の家事の時間を楽しめるように工夫されるご家族もたくさんいらっしゃいます。
リビングとダイニングを兼用して空間を有効活用するアイデア
もう一つ、限られたLDKの広さを最大限に活かし、ゆったりと過ごすためのアイデアとして「リビングダイニング兼用スタイル」があります。
これは、食事をするためのダイニングテーブルセットと、くつろぐためのソファセットを別々に置くのではなく、少し低めのテーブルとゆったり座れるソファダイニングを組み合わせて、一つのスペースにまとめるという方法です。
このスタイルを採用すると、ソファセットかダイニングセットのどちらか一方を置くスペースが丸ごと空くため、LDK全体が14帖から16帖程度の広さであっても、驚くほど広々とした空間を生み出すことができます。
空いたスペースにごろんと寝転がれるラグを敷いたり、室内干しのスペースとして活用したりと、ご家族の暮らし方の変化に合わせて自由にお部屋を使うことができるようになります。
関連記事:「おしゃれ」だけで決めると後悔?使い勝手のいいキッチンをつくる“動線・収納・通路幅”の正解

リビングの広さに迷うご家族へのアドバイス|FAQ
家づくりを進める中で、広さに関する疑問を持たれる方はたくさんいらっしゃいます。
ここでは、よくある疑問と、その解決策となる考え方をご紹介します。
Q. LDKが16帖だと、4人家族で暮らすには狭いでしょうか?
- A. 狭いということはなく、家具の選び方や間取りの工夫次第で、十分に快適な空間を作ることができます。
16帖という広さは、数字だけを見ると少しコンパクトに感じるかもしれませんが、工夫次第でゆったりと暮らすことが可能です。
たとえば、先ほどご紹介したリビングとダイニングを兼用する家具を選んだり、背の低い家具で統一して視線の抜けを作ったりすることで、空間の圧迫感を大きく軽減できます。
また、壁付けキッチンを採用することで、リビング側に使える床面積を増やすことも効果的です。
数字の大きさに捉われず、生活の質を高める工夫を取り入れてみましょう。 Q. 限られた坪数の中で、少しでもリビングを広く見せるコツはありますか?
- A. 物理的な床面積を広げるのが難しい場合は、天井の高さや窓の配置、そして内装の色使いを工夫することで、実際の帖数以上に広く見せることが可能です。
ポイントは、縦の空間や外部の空間を視覚的に取り入れることです。
リビングの一部を吹き抜けにしたり、天井を高めに設定したりするだけでも、開放感は大きく変わります。
また、庭やバルコニーへと続く窓を大きめに設計し、室内の床と外のウッドデッキの高さを揃えることで、視線が外へと自然に抜け、空間がひと続きのように感じられるため、体感的な広がりを生み出すことができます。 Q. リビングにテレワークや学習スペースを作りたい場合の広さの目安は?
- A. 設置するデスクのサイズにもよりますが、基本のLDKの広さに加えて、おおよそ1帖から2帖分のプラスアルファのスペースを想定しておくことをおすすめします。
ご家族の気配を感じながらお子様が宿題をしたり、少しパソコン作業をしたりするためのカウンターを設けるケースが増えています。
幅100cm、奥行き45cm程度のカウンターであれば、それほど大きな面積は取りませんが、椅子を後ろに引いて座り、人がその横を通るための動線を考えると、少しゆとりを持たせた広さの計算が必要です。
LDKの基本サイズに、このワークスペース用の面積をあらかじめ加算して全体を逆算しておくと、生活動線を邪魔しない快適な空間になります。
関連記事:リビングを広くしすぎて後悔…理想の広さを決める前に知っておきたい落とし穴

まとめ|SUMMARY
今回は、リビングの広さを決める際の目安と、家具のサイズや生活動線から逆算して「ちょうどいい広さ」を見つけるための考え方をご紹介しました。
LDKの広さには「平均〇帖だから正解」といった、全てのご家庭に当てはまるただ一つの答えがあるわけではありません。
最も大切なのは、ご家族がどのような家具を置き、毎日どんな風に時間を過ごしたいかという具体的な暮らしのイメージを持つことです。
私たち大栄建設では、家づくりのお手伝いをする中で、図面上の数字だけを見るのではなく、実際の生活をリアルに想定した細やかなヒアリングを大切にしています。
「今持っているお気に入りの家具は、この間取りにすっきり収まるかな?」「家事の動線を良くしながら、リビングを広く取るにはどうすればいいだろう?」など、間取りや広さについて少しでも迷われることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ご家族のライフスタイルにそっと寄り添い、毎日を心穏やかに心地よく過ごせる理想の住まいづくりを、一緒に考えていきましょう。
