私たちの住まいは、単なる居住空間ではなく、心身ともに健康を保つための大切な場所です。
近年、住宅の温熱環境の重要性が注目されており、特に高齢者の増加に伴い、寒さによる健康被害が深刻な社会問題となっています。
冬の寒さは、ヒートショックなど命に関わるリスクも孕み、長期間にわたる低温環境は免疫力や生活の質の低下を引き起こす可能性があります。
今回は、良好な温熱環境がもたらす健康効果や、健康住宅を実現するための具体的な方法について解説します。
快適で健康な暮らしを実現するために、ぜひご一読ください。
目次
人生100年時代、健康に過ごすための温熱環境の重要性
ご自宅での冬季の死亡者数が増加していることをご存知でしょうか?
2014年の調査では、12月~3月の全国の死亡者数は、4月~11月と比べて17.5%も増加しています。
さらに、寒冷な地域よりも温暖な地域での冬季の死亡増加率が高くなっています。
その原因の一つとして、住宅の温熱環境の悪さが指摘されています。
寒さに対して十分な対策が施されていない住宅は、身体に負担をかけ健康リスクを高めます。
寒冷な地域では断熱性能の高い住宅が一般的ですが、温暖な地域では普及率が低く、冬季の死亡者数増加に影響していると考えられます。
こうした状況から、私たちが暮らす住宅環境が健康に大きく関わっていることがわかります。
日本の住宅の温熱環境の現状
1. 断熱性能の低い住宅の多さ日本の多くの住宅は、断熱性能が十分ではありません。 |
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2. 冬の室内温度が推奨基準を下回る日本の住宅では、冬場の室内温度が推奨される基準を下回るケースが少なくありません。 |
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3. 夜間に室温が急激に下がる日本の住宅では、夜間に室温の急激な低下が進行します。 |
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4. 暖房の効いている部屋と効いていない部屋で、温度に差が生じる暖房の効いている部屋と効いていない部屋の温度差は、居住者の健康に悪影響を与える可能性があります。 |
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住まいと温度の感じ方
室温と表面温度
私たちは一般的に、「室温」を基準に、お部屋の温かさを判断します。
しかし、実際に感じる温度は、室温だけでは決まりません。
重要な要素の一つが床や壁、天井、窓などの「表面温度」です。
身体と周辺環境は、常に熱のやり取りをしています。
室温が適温であっても、周辺の表面温度が低いと、お部屋全体が寒く感じられます。
特に、足元が冷えると、身体全体が冷えを感じやすくなります。
そのため、快適な温熱環境を実現するためには、室温だけでなく、壁や床などの表面温度にも気を配ることが必要です。
作用温度(体感温度)
作用温度とは、人が実際に感じる温度のことを指し、体感温度とも言われます。
室温や表面温度、湿度、風速、放射熱など、さまざまな要素が複雑に絡み合って、作用温度は決まります。
例えば、同じ室温でも湿度が低いと寒く感じ、逆に湿度が高いと温かく感じます。
作用温度は人によって感じ方が異なるため、一概に数値で表すことはできませんが、静穏な気流の室内であれば、床・壁・窓・天井の平均表面温度と室温の平均値で簡易的に表すことができます。
作用温度は、快適性や健康にも直結するため、室温を調整するだけでなく、断熱性を高めて表面温度を適切に保ち、湿度を管理することも重要です。
温熱環境が健康に与える影響
1. 起床時の血圧上昇リスク起床時の室温が低い住宅では血圧が高くなる傾向があり、高齢者は特に影響を受けやすいとされています。 |
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2. 部屋間温度差による健康リスク部屋間の温度差が大きいと、身体に負担がかかり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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3. 床付近の低温が引き起こす健康リスク床付近の温度が低い住宅では、高血圧や糖尿病、聴力低下を経験する割合が高い傾向にあります。 |
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4. 入浴中の事故リスク入浴中の事故は特に高齢者に多く発生しています。 |
温熱環境改善による効果
血圧の改善起床時の室温が低いと、身体は体温を維持するために血管を収縮させ、血圧が上昇しやすい状態になります。 |
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活動時間の増加断熱改修により、居間や脱衣所などの室温が上昇することで、こたつや脱衣所の暖房が不要になる場合があります。 |
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良好な温熱環境とその効果快適な暮らしを実現するためには、高い断熱性能が欠かせません。 |
まとめ
住宅の温熱環境を整えることは、健康な暮らしと快適な生活を送るための第一歩です。
適切に温度管理された住まいは、ヒートショックなどの健康リスクを軽減し、免疫力を高めることにもつながります。
また、快適な室内環境を実現し、心身のストレスの軽減や生活の質の向上にも貢献します。
温熱環境を整えるための費用はかかりますが、長期的に見れば、健康維持や省エネによるコスト削減効果が期待できます。
国も補助金制度を設けており、経済的な負担も軽減できます。
快適な住まいは、ご家族の健康と幸せな暮らしを支えます。
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ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の略。
ネットゼロエネルギー住宅とは、建物の断熱化+機器の高効率化により、使用エネルギーを削減し、さらに、太陽光発電などの創エネルギーを用いることで、エネルギー収支がゼロになる住宅のこと。
大栄建設の ZEH普及実績と今後の目標
2025年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH目標値は新築75%・既存75%
2023年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2022年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築67%・既存0%
2021年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築75%・既存0%
2020年度 戸建住宅の総建築数に対するZEH実績値は新築50%・既存0%