Blog

ブログ

2026.08.17
スタッフブログ
後悔しない家づくり

建物・地盤・防蟻がバラバラに保証されると何が起きる?ワンストップの保証体制という視点

建物・地盤・防蟻がバラバラに保証されると何が起きる?ワンストップの保証体制という視点

家づくりを検討される際、間取りやデザインと同じくらい大切なのが、建てた後の「保証」です。
しかし、契約書に並ぶ「〇〇保証」という言葉の多さに、少し戸惑われるかもしれません。
実は、住宅の保証は「建物」「地盤」「防蟻(シロアリ対策)」など、項目ごとに保証会社や窓口が異なるケースが少なくありません。
万が一トラブルが起きた際、窓口が分かれていると「どこに連絡すればいいのか」迷ってしまい、対応が遅れてしまうことも考えられます。
今回は、保証窓口が一つにまとまっている「ワンストップの保証体制」が、将来の暮らしにどのような安心をもたらすのかを整理してお伝えします。
読み終える頃には、パンフレットや担当者への質問で「何を確認すればよいか」が具体的に分かるはずです。
ご家族の人生を守る大切な判断基準として、ぜひ参考にしてみてください。

 

【この記事のポイント】

  • 保証窓口が分かれていると、トラブル時の責任の所在が曖昧になりやすい点を確認しましょう
  • 法律で定められた「10年の瑕疵保険」と、工務店独自の「長期保証」の違いを整理しましょう
  • 建物・地盤・防蟻の3つをまとめた「ワンストップの保証体制」のメリットを知ることが大切です
  • 断熱材の内部結露など、目に見えない部分の保証がどうなっているか確認しましょう

住宅の保証が「バラバラ」だと何が困る?

家を建てた後のアフターサービスにおいて、最も避けたいのは「いざという時にすぐ対応してもらえない」という状況です。
ここでは、保証の窓口が分かれていることで生じやすい実務上の課題と、そのリスクについて整理します。

トラブル時に窓口を迷う「たらい回し」のリスク

家づくりでは、建物の施工、地盤の調査・改良、シロアリの防除など、様々な専門業者が関わります。
そのため、保証もそれぞれの業者や保険会社が別々に発行する形になるケースが一般的です。
しかし、これらがバラバラに管理されていると、例えば「床が少し傾いている気がする」と感じたとき、建物の問題なのか、地盤の問題なのか、すぐには判断がつかないことがあります。
このような場合、別々の窓口に連絡をすることになり、原因究明に時間がかかったり、「うちの責任範囲ではない」と判断されてしまったりするリスクが考えられます。
暮らしの不安をいち早く解消するためには、連絡先が一つにまとまっていることが非常に重要です。

責任の所在が曖昧になることの精神的負担

原因が複合的なトラブルが発生した場合、それぞれの保証会社間で責任のなすりつけ合いが起きてしまうケースもゼロではありません。

  • 雨漏りによる木材の腐朽とシロアリ発生の場合:建物の防水保証か、防蟻保証か、原因の特定と責任分担で対応が長引く
  • 地盤のわずかな沈下による建物の歪みの場合:地盤の保証範囲か、建物の構造問題か、それぞれの調査が必要になる

保証が分かれていると、住まい手自身が状況を説明し、各所に交渉しなければならない負担が生じます。
家は建ててからが本当のお付き合いの始まりだからこそ、困ったときに「ここに連絡すれば大丈夫」という安心感が、精神的な負担を大きく軽減してくれます。

メンテナンス時期のズレが招く「うっかり保証切れ」とコスト増

住宅の保証がバラバラであるということは、それぞれの保証の「更新タイミング」や「点検のサイクル」も異なることを意味します。
例えば、防蟻(シロアリ)の保証更新は5年や10年ごと、建物の防水保証は10年や20年ごと、といった形で期限がズレていきます。それぞれの保証会社から別々の時期に点検や更新の案内が届くため、住まい手が管理しきれずに更新手続きを失念し、気づいたときには保証が途切れてしまっていた、というトラブルが起こり得ます。

 

また、点検や補修を行うタイミングがバラバラだと、その都度個別に業者を手配して対応しなければなりません。
足場代や出張費などの諸経費がその都度発生するため、一括でメンテナンスを行う場合と比べて、結果的に将来の維持費(ライフサイクルコスト)が膨らんでしまう原因にもなります。

💡家づくりミニ知識:シロアリはどこからやってくる?

「新築だからシロアリは大丈夫」と思われがちですが、実はシロアリは地中を通って基礎のわずかな隙間や配管の周りから侵入してきます。定期的な点検と、万が一の被害に備えた保証がセットになっていることが、大切な住まいを長持ちさせる秘訣です。

関連記事:その羽アリはシロアリ?クロアリ?見分け方と絶対やってはいけないNG行動3選・対処法

 

無垢材のテーブルの上に並べられた、建築図面やカラーサンプルなどの家づくりの設計資料

混同しやすい「瑕疵保険」と「自社保証」の違い

住宅会社のホームページやパンフレットを見ると、「10年保証」や「20年保証」といった数字が並び、どれが基準なのか分かりにくいことがあります。
ここでは、法律で義務付けられた保険と、工務店が独自に用意する保証の違いを整理し、比較のポイントをお伝えします。

法定の「瑕疵担保責任保険(10年)」とは

新築住宅を建てる際、すべての事業者は「住宅瑕疵(かし)担保責任保険」への加入、または供託が法律で義務付けられています。
これは、引き渡しから10年間、建物の「構造耐力上主要な部分(柱や基礎など)」と「雨水の浸入を防止する部分(屋根や外壁など)」に欠陥が見つかった場合、その補修費用が保険金として支払われる仕組みです(住宅保証機構やJIO加盟の第三者機関検査を経ています)。
つまり、「10年間の瑕疵保険」はどの会社で建てても必ずついてくる最低限のルールです。
この点と、各社が独自に設定している長期保証を別物として整理しておくことが大切です。

将来の維持費を左右する「+α」の保証体制

法定の10年保証とは別枠として存在するのが、各工務店が独自に設定している「長期保証(延長保証)」です。
これは法律の義務を超えて提供されるものであり、「建物・地盤・防蟻を包括する初期20年保証」などもこれに該当します。
瑕疵保険の期間が終了する11年目以降に、外壁のメンテナンスや設備の不具合が起きやすくなる傾向があるため、「11年目以降の保証をどのように継続できるか」「独自の自社保証はどのような体制で運用されているか」を事前に確認しておくことが、将来の維持費をコントロールするための重要な判断基準となります。
「保証が長い=無条件で安心」と捉えるのではなく、その中身をしっかり見極めましょう。

もしも工務店が倒産したら?「保険」と「保証」の違い

「法律で決まった瑕疵保険」と「会社独自の保証」の最も大きな違いは、万が一、家を建てた工務店が廃業や倒産をしてしまったときの対応にあります。

法律で義務付けられている「瑕疵担保責任保険」は、第三者である保険機関に加入しているため、もし工務店が倒産した後に構造や防水の欠陥が見つかっても、住まい手が直接保険会社へ補修費用を請求できる仕組みになっています。

一方で、会社独自の「自社保証」は、その工務店が存続していることが前提となります。
そのため、長期の保証内容を比較する際は、単に「何年保証か」という期間の長さだけでなく、「万が一の際にも第三者の保証機関がバックアップ(保証を引き継ぎ)してくれる仕組みになっているか」を確認することが、将来にわたる本当の安心を見極めるポイントです。

比較項目瑕疵担保責任保険(法定10年)工務店独自の長期保証(例:初期20年など)
加入の義務すべての住宅会社に法律で義務付け住宅会社が任意で設定するサービス
保証の主体第三者の住宅瑕疵担保責任保険法人施工した工務店(および提携の第三者保証機関)
倒産時の対応住まい手が直接保険会社へ修繕費を請求可能原則は会社の存続が前提となる(※)

※独自の長期保証を比較する際は、万が一工務店が倒産した場合でも、第三者の保証機関が代わりに保証を引き継いでくれる「バックアップ体制」が整っているかを確認することが、重要な判断基準となります。

 

関連記事:ランニングコストがかからない家の作り方!光熱費・修繕費で後悔しない4つの重要ポイント

 

日本の気候に適した、職人仕上げの美しい外壁と高品質な木製玄関ドアのクローズアップ

初期20年「ワンストップの保証体制」がもたらす安心

ワンストップの保証体制とは、建物・地盤・防蟻という住まいを守る3つの保証を、単一の窓口と単一の期間でまとめて管理する仕組みのことです。
バラバラの保証による不安を解消し、長期的に安定した安心を届けるための設計アプローチとして、この体制が採用されるケースがあります。
ここでは、住まいの根幹をなすこれら3つの保証の具体的な中身と、それが暮らしにどう影響するのかを解説します。

建物・地盤・防蟻を一括でカバーする初期20年保証

トラブル発生時に責任の所在が曖昧になることを防ぐため、工務店が単一の窓口となって対応する仕組みが「ワンストップの保証体制」です。
ワンストップの保証体制を導入している工務店では、初期の保証期間を長く設定し、将来のライフステージの変化に合わせて更新できる仕組みを整えている傾向があります。
後悔しない工務店選びの基準として、以下のポイントを満たしているか確認してみましょう。

  • 建物(構造・防水)の保証期間と延長条件:初期保証が法律で定められた10年だけでなく、20年程度確保されているか。また、その後の定期点検を条件に、建物の寿命に合わせて保証を更新できるか。
  • 地盤保証の補償額と期間:建物と同じく長期間(20年など)カバーされるか。万が一地盤沈下が起きた際、地盤の再改良や建物の修復を十分にまかなえる補償額(数千万円規模)が設定されているか。(※実際の補償額や適用される条件は保証会社や工務店によって異なるため、契約前に必ず書面での確認をおすすめします)
  • 防蟻(シロアリ対策)の継続性:初期保証はもちろん、防蟻処理の薬効が切れるタイミングに合わせて、適切な点検と再施工の仕組みがセットになっているか。

住まいを守る3つの重要な柱を一つの窓口で長期間カバーすることで、万が一の際もたらい回しにされることなく、迅速な調査と一貫した対応が可能になります。

着工前から始まる「地盤保証」のプロセス

地盤保証は、単に「書類上で保証をつける」ものではありません。
家を建てる前の調査段階から、確実な安全性を担保するプロセスが組み込まれています。
具体的には、まず精度の高い地盤調査を行い、地盤の強度が不足していると判断された場合は、土地の特性に合わせた地盤改良工事(柱状地盤改良工事、表層地盤改良工事、小径木杭工事など)を実施します。
この「調査→改良→確認」という一連の施工プロセスを正しく経ることで、初めて強固な地盤保証が付与されます。
場当たり的な保証ではなく、根拠のある施工に基づいているかどうかを確認することが大切です。

過去の「カルテ」が一元管理されることで、将来の無駄な修繕を防ぐ

家は建ててから何十年もメンテナンスを繰り返しながら住み続けるものです。
保証や点検の窓口が一元化されているということは、その工務店に「新築時の地盤改良データから、歴代のシロアリ防除、建物の修繕履歴まで、すべての『お住まいのカルテ』が1箇所に保管され続ける」ことを意味します。

もしこれらがバラバラに管理されていると、将来リフォームや増改築を行う際、「過去にいつ、誰が、どのような工事や点検をしたのか」が分からず、適切な補修方法が見出せなかったり、現状を把握するための余計な調査費用がその都度かかったりするリスクがあります。

人間が総合病院で一元化されたカルテをもとに最適な治療を受けるのと同じように、住まいもすべての履歴が1箇所に蓄積されていることが、将来の無駄な出費を最小限に抑え、資産価値を長く維持するための裏付けとなります。

 

関連記事:長持ちする家の条件とは?建ててから後悔しないための設計と素材選びのポイント

 

明るい自然光が差し込む心地よいリビングで、穏やかな時間を過ごす家族3人の日常の風景

見落としがちな「壁の中の結露(内部結露)」に対する保証の有無

ワンストップの保証体制と合わせて、住まいを長持ちさせるためにもう一つ事前に確認しておきたいのが、壁の内部で起きる結露への対策と保証です。
ここでは、目に見えない部分に潜むリスクと、それを防ぐ施工技術の見極め方について解説します。

なぜ「内部結露」は国の瑕疵保証で対象外にされるのか

新築住宅を建てる際、住宅品質確保促進法(品確法)で義務付けられている10年間の瑕疵保証は、主に建物の強度を支える「構造耐力上主要な部分(柱や基礎など)」と、雨漏りを防ぐ「雨水の浸入を防止する部分(外壁や屋根など)」の2つを対象としています。
一方、壁の内部で起きる結露(内部結露)は、室内の暖かく湿った空気が壁の中に入り込み、外気で冷やされることで発生する「室内の水蒸気」が原因となります。
これは法律上の「外部から浸入する雨水」には該当しないため、防水の瑕疵保証ではカバーされません。

また、結露による木材の腐食は時間をかけてじわじわと進行するため、引き渡しから10年以内の段階では明確な構造欠陥(建物の傾きなど)として認定されず、瑕疵保証の対象外(あるいは適用基準外)と判断されるケースがほとんどです。

 

壁の中で発生した結露は、目に見えないところで柱や土台を腐食させ、家の寿命を確実に縮めていきます。
だからこそ、国が定める最低基準の10年保証だけに頼るのではなく、壁の中の結露そのものを防ぐ技術と、それに対する「独自の長期無結露保証」が用意されているかを確認することが非常に大切になります。

結露保証が証明する「現場の施工品質」の見極め方

壁の中の結露を防ぐためには、高性能な断熱材を使うことだけが正解ではありません。
湿気を壁の中に入れないための防湿シートや、空気の漏れを防ぐ気密テープを、職人が隙間なく「手仕事」で丁寧に施工し切る必要があります。

これらは見えなくなってしまう部分の地道な手作業であるため、現場の施工品質に絶対の自信がなければ、住宅会社は「壁体内の結露に対する長期の無結露保証」をつけることができません。

 

高気密・高断熱を謳う住宅会社を比較する際は、カタログ上の数値(UA値など)に気を取られがちですが、ぜひ「断熱材や壁体内の結露に対する保証はありますか?」と直接質問してみてください。
目に見えない部分にまでしっかりとした独自の保証を用意している会社かを見極めることが、30年、50年先も家族が健康で、将来の修繕費用を最小限に抑えて暮らせる住まいを手に入れるための、最も確実な判断基準となります。

 

関連記事:横浜の“海風・高湿度”でもなぜ60年保証が可能?断熱材だけでは防げない「壁体内の湿気排出設計」とは

 

気密・断熱施工が丁寧に行われ、冬でも結露の全くないクリーンで乾いた高断熱住宅の窓辺

住まいの保証に関するよくある疑問|FAQ

ここでは、お客様から個別相談や見学会でよくいただく「保証とアフターメンテナンス」に関するご質問にお答えします。
ご自身の状況に照らし合わせて参考にしてみてください。

Q. 契約時に定められた保証期間が終わった後は、どうなりますか?

A. 新築時に設定されている初期保証期間(法律で定められた10年、あるいは手厚い体制を整えている会社では15年や20年など)が満了した後の対応は、住宅会社によって対応が大きく分かれます。

一般的な新築住宅では、この初期保証期間の満了をもって、保証そのものが完全に終了してしまうケースが少なくありません。
一方で、住まいを長期にわたって守るプログラムを整えている工務店では、初期保証の満了時に詳細な点検を実施し、必要と判断されたメンテナンス(有償の防水工事や防蟻処理など)を行うことで、10年単位でさらに保証期間を更新していくことができます(会社によっては最長60年まで更新可能など)。

契約前に、検討している会社に「初期保証が切れた後も、点検や有償補修を行うことで、保証を継続できる具体的な仕組みがあるか」を確認することが、将来の維持費をコントロールする上で極めて重要なチェックポイントになります。

Q. 地盤保証に必要な地盤調査はいつ行うのですか?

A. 基本的には、土地の購入後、建物の配置図(プラン)が確定した段階で実施します。
建物の重さがどの部分にかかるのかを正確に把握した上で、敷地内の複数のポイントを調査するためです。
その結果に基づき、改良工事が必要かどうか、またどのような工法が適しているかを判断し、工事完了後に地盤保証に加入する流れとなります。

Q. 防蟻保証の期間中に羽アリを見つけたらどうすればいいですか?

A. まずは慌てずに、窓口となっている工務店へすぐにご連絡ください。
ワンストップの保証体制であれば、防蟻処理を行った専門業者と連携し、迅速に現地確認へと伺います。
クロアリなのかシロアリなのかを見極め、保証の適用範囲内であれば、規定に沿って適切な処置や修繕を実施します。
市販の殺虫剤をかけるとシロアリが地中へ逃げてしまい駆除が難しくなるため、そのままの状態でご連絡いただくのが最も確実です。

関連記事:横浜市金沢区で地盤改良は必要?液状化リスクと地形特性から考える“やるべき家・不要な家”の分かれ道

 

足元から住まいをしっかりと支えるコンクリートアプローチと、みずみずしく手入れされたシンボルツリー

まとめ|SUMMARY

今回は、住宅の建物・地盤・防蟻がバラバラに保証されるリスクと、それを解決する「ワンストップの保証体制」について整理しました。
家は建てて終わりではなく、そこから何十年もご家族の命と暮らしを守り続ける場所です。
だからこそ、「いざという時に誰が責任を持って対応してくれるのか」という体制が整っていることは、初期費用以上の価値を持ちます。
これから家づくりを進められる際は、ぜひ目の前のデザインや見積もりだけでなく、「保証の窓口はどこになるのか」「引き渡しから10年後、20年後にどんな点検や保証が受けられるのか」 を住宅会社の担当者に質問してみてください。

 

私たち大栄建設でも、住まい手の不安を解消するために、建物・地盤・防蟻の3つを包括し、窓口を一元化した 「トリプル20年保証」 を標準の体制とし、暮らしを見守るワンストップのアフターサポートを行っています。
お住まいの保証内容は、大切なご家族の将来を左右する重要な土台です。
将来の維持費を考慮した家づくりのあり方についてお悩みの際は、いつでも大栄建設までお気軽にご相談ください。
一時の美しさや価格だけではない、長く安心して「住み渡る家」を叶えるための判断基準を、これからも丁寧に整理するお手伝いをさせていただければと考えています。