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2025.10.17
スタッフブログ
ZEH・省エネ住宅

HEMSを導入すると何が変わる?電気代節約から防犯まで未来の暮らしを体験!

HEMSを導入すると何が変わる?電気代節約から防犯まで未来の暮らしを体験!

夢がふくらむ、新しいお家づくり。
素敵なデザインや理想の間取りを考える時間は、本当に楽しいものですよね。
そして、これからの時代は「長く、賢く、快適に暮らす」という視点も、お家づくりの大切なポイントになっています。
そこで今、注目されているのが「HEMS(ヘムス)」です。
「聞いたことはあるけど、なんだか難しそう…」と感じている方もご安心ください。
HEMSは、電気代の節約はもちろん、ご家族の毎日をより便利で安心なものへと変えてくれる、いわば『お家のエネルギー司令塔』なんです。
今回は、HEMSを導入すると暮らしがどう変わるのか、その魅力とできることをわかりやすくご紹介します。
この記事が、みなさまの理想の暮らしを叶えるヒントになれば幸いです。

 

この記事のポイント

・HEMSは電気を賢く管理する「お家の司令塔
・電気代節約はもちろん、スマホ操作で暮らしが快適・安全に
・太陽光や蓄電池と組み合わせると節約効果は最大化し、災害時も安心

そもそもHEMSって何?お家のエネルギーを賢く管理する司令塔

HEMSは、ご家庭で使うエネルギーを「見える化」して、接続した家電などを自動でコントロールしてくれるシステムのことです。
日々のエネルギーの使い方を把握し、最適化することで、無理なく快適な省エネ生活をサポートしてくれます。
近年、電気料金の高騰や、国が推進する省エネ住宅(ZEH)の普及目標もあり、ご家庭のエネルギーを賢く管理するHEMSの重要性が高まっています。

HEMSの基本的な仕組みをわかりやすく解説

HEMSは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の頭文字をとった言葉です。
お家の分電盤に専用のセンサーを取り付け、ご家庭での電気の使用量を計測します。
そして、計測した情報を専用のモニターやお手持ちのスマートフォン、タブレットなどで、いつでも確認できるようにしてくれます。

HEMSの主な役割は、大きく分けて2つあります。

01.エネルギーの「見える化」

どの部屋で、いつ、どれくらいの電気が使われているかをグラフなどで直感的に把握できます。
今まで気づかなかった電気の無駄遣いを発見し、ご家族で楽しみながら節電意識を高めるきっかけになります。

02.家電の「自動制御(最適化)」

エアコンや給湯器(エコキュート)、蓄電池などの対応機器をネットワークに繋ぐことで、エネルギーの使用量が最も効率的になるように自動でコントロールします。
例えば、電気料金が安い時間帯にお湯を沸かすなど、手間をかけずに節約を実現してくれます。

スマートホームとの違いは?

HEMSと同じような役割に「スマートホーム」がありますが、それぞれの得意分野が少し異なります。

 

項目 HEMS(ヘムス) スマートホーム
主な目的 エネルギー管理・節約 生活の利便性・快適性向上
中心機器 HEMSコントローラー、分電盤 スマートスピーカー、ハブ
連携対象 太陽光、蓄電池、エコキュート等 照明、カーテン、スマートロック、家電
得意なこと 電気使用量の最適化 声やスマホでの一括操作

 

この二つは、お互いに連携させることで真価を発揮します。
例えば、HEMSで「電力使用量が多い」と判断したら、スマートホーム側で自動的に照明の明るさを少し落とす、といった連携が可能です。
HEMSとスマートホームを組み合わせることで、省エネで、かつ便利で快適な未来の暮らしが実現できるのです。

 

HEMSの仕組みを示すグラフィック。家のアイコンを中心に、太陽光発電、蓄電池、エアコン、給湯器、EV、照明のアイコンがエネルギー線で結ばれている。

電気代はどれくらいお得に?HEMSによる節約効果を徹底解説

HEMSを導入することで、エネルギーの無駄遣いが減り、月々の電気代を効果的に節約することが期待できます。
具体的にどのような仕組みで電気代がお得になるのか、詳しく見ていきましょう。

エネルギーの「見える化」で変わるご家族の節約意識

HEMSのモニターには、リアルタイムの電力使用量が表示されます。
「リビングのエアコンをつけたら、こんなに電気が動くんだね」
「誰も見ていないテレビの待機電力って、意外と大きいんだ」
といった発見が、ご家族の自然な節電行動につながります。
お子さまと一緒に「昨日はどれくらい電気を使わなかったかな?」とゲーム感覚でチェックすることも、楽しく省エネに取り組むための素敵な方法です。
無理な我慢ではなく、意識の変化によって生まれる節約効果は、HEMSがもたらすメリットの一つです。

太陽光発電や蓄電池との連携で効果は最大に

HEMSは、太陽光発電システムや蓄電池と連携させることで、その能力を最大限に引き出すことができます。
お家で発電した電気を、売るよりもご家庭で使う「自家消費」を優先する方が経済的なメリットが大きくなる傾向にあります。
HEMSは、その日の天気予報や過去の電力使用パターンを学習し、発電した電気を最も効率的に使えるよう自動でコントロールしてくれます。

 

晴れた昼間には:太陽光で発電した電気を優先的に使い、余った電気は蓄電池に充電する。
曇りや雨の日には:蓄電池に貯めておいた電気や、電気料金の安い時間帯の電気を使う。

 

このように賢く電気を使い分けることで、電力会社から買う電気の量を最小限に抑えることができるのです。
特に、HEMSはZEH※のような高性能な省エネ住宅において、その能力を最大限に引き出す「司令塔」として不可欠な存在です。
家の断熱性能や太陽光発電といった優れた設備があっても、エネルギーを賢く運用できなければ宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。
実際に、省エネ住宅の普及を推進している一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)の調査報告によると、HEMSなどが導入されたZEH住宅に住む世帯は、一般的な住宅に住む世帯と比較して、年間のエネルギー消費量が大幅に削減されているというデータが報告されています。

 

※ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略。
家庭で使うエネルギー消費量を実質的にゼロ以下にすることを目指す住宅のことです。

具体的な節約額シミュレーション

では、実際にHEMSを導入すると、年間の電気代はどれくらい変わるのでしょうか。
あくまで一例として、以下のモデルケースでシミュレーションしてみましょう。

 

【シミュレーションの前提条件】
家族構成:4人家族(夫婦+子供2人)
住宅:戸建て住宅(オール電化)
月の電力使用量:500kWh/月
契約プラン:大手電力会社の一般的なプラン(東京電力エリアの標準的なプランを想定し、1kWhあたり30円で計算)

HEMSなしの場合

まずは、HEMSを導入していない場合の電気代を計算します。
500kWh × 30円/kWh × 12ヶ月 = 180,000円
年間の電気代(目安):約180,000円

HEMSを導入した場合

HEMSの「見える化」による節電意識の向上や、家電の自動制御によって、約10%の省エネ効果
180,000円 × (1 - 0.10) = 162,000円
年間の電気代(目安):約162,000円(年間 約18,000円お得に)

HEMS + 太陽光発電 + 蓄電池を導入した場合

上記の効果に加え、太陽光発電(自家消費)と蓄電池の活用により、電力会社から買う電気の量をさらに50%削減
162,000円 × (1 - 0.50) = 81,000円
年間の電気代(目安):約81,000円(年間 約99,000円お得に)

 

ご注意ください:上記のシミュレーションは、あくまで特定の条件下での一例です。
実際の金額は、お住まいの地域の気候、お家の断熱性能、ライフスタイル、ご契約の電力プランによって大きく変動します。

 

青空の下、屋根に太陽光パネルが設置されたHEMS導入済みのモダンな省エネ住宅(ZEH)

暮らしがもっと快適・安心に!HEMSができること応用編

HEMSは省エネだけでなく、日々の暮らしをより快適で安心なものへと変えてくれる多彩な機能を持っています。
電気代の節約以上に、暮らしの質を高めてくれる嬉しいメリットをご紹介します。

スマートフォン一つで外出先からお家を遠隔操作

専用アプリを使えば、お手持ちのスマートフォンがHEMSのリモコンになります。
これにより、外出先からでもお家の状況を確認したり、対応家電を操作したりすることができます。

帰宅前にエアコンをON!いつでも快適な空間へ

暑い夏の日、お仕事からの帰り道にスマートフォンのボタンを一つ押すだけ。
お家に到着する頃には、お部屋がひんやりと快適な温度になっています。
寒い冬の日も同様に、暖かなお部屋がご家族を迎えてくれます。

お風呂のお湯はりも遠隔で

帰宅時間に合わせて、外出先からお風呂のお湯はりを開始できます。
疲れて帰ってきた日も、すぐにあたたかいお風呂に入れるのは嬉しいですよね。

「あれ、消したかな?」の不安を解消

「エアコンを消し忘れたかも」「照明をつけたままだったかな?」
そんな時も、スマートフォンで確認して、その場でOFFにできるので安心です。

ご家族を見守る安心機能で、毎日に心のゆとりを

HEMSは、大切なご家族を見守る機能も備えています。

離れて暮らすご両親をそっと見守る

HEMSと連携した電気ポットやテレビが使われると、その情報がご家族のスマートフォンに通知されるサービスがあります。
毎日の電気の使用状況から「元気に過ごしているな」と、さりげなく安否を確認することができます。

防犯対策で、お家の安全性を高める

窓やドアの開閉センサーと連携させれば、外出中に窓が開けられた場合にスマートフォンへ異常を知らせてくれます。
また、帰宅が遅くなる日に、タイマーで決まった時間にリビングの照明を自動で点灯させ、在宅を装うといった防犯対策も可能です。

EV(電気自動車)との連携で未来のカーライフへ

これから電気自動車(EV)の購入を検討されているご家庭にとって、HEMSはさらに重要な役割を果たします。
V2H(Vehicle to Home)※という仕組みを使えば、EVを「走る蓄電池」として活用できます。

 

V2Hとは:EVに貯めた電気を、家庭用の電力として利用する仕組みや、そのために必要な機器のことです。

 

賢い充電:HEMSが電気料金の安い夜間を狙って、EVへ自動で充電します。
災害時の非常用電源:万が一の停電時、EVに貯めた電気をお家の電力として使うことができます。エアコンや冷蔵庫、スマートフォンの充電など、数日間の電力をまかなえるため、災害時でも安心して過ごすことができます。

 

 

外出先のカフェから、HEMSと連携したスマートフォンで自宅のエアコンや給湯器を遠隔操作する女性

HEMS導入の前に知っておきたいQ&A

HEMSの導入を具体的に検討する上で、多くの方が疑問に思う費用や機器選びについて、Q&A形式でわかりやすくお答えします。

Q1. 導入にかかる費用はどれくらい?

機器本体と工事費を合わせて10万円~30万円が目安です。
ただし、連携させる太陽光発電システムや蓄電池、対応家電の種類や数によって費用は変動します。
お家づくりと同時に導入を計画する場合、国が推進するZEH(ゼッチ)の補助金制度などを活用できるケースもありますので、ぜひ住宅会社の担当者にご相談いただくことをおすすめします。

Q2. HEMS製品がたくさんあるけど、何を基準に選べばいい?

HEMSは製品ごとに少しずつ特徴が異なります。
後悔しないためには、ご自身の「暮らしの目的」に合わせて選ぶことが重要です。
以下の3つの視点で比較検討することをおすすめします。

 

選び方の視点 こんな方におすすめ
① 連携性・拡張性 使いたいエアコンや太陽光パネルが決まっている方、将来EVなどを導入したい方
② 操作性・見やすさ 家族みんなで楽しく節電したい方、スマホ操作が苦手な方がいるご家庭
③ サポート機能 AIによる節電アドバイスが欲しい方、より高いレベルで省エネを目指したい方

 

これらの視点をもとに、住宅会社の担当者と相談しながら、ご家庭にぴったりのHEMSを選んでいきましょう。

Q3. お家が完成した後からでも後付けはできるの?

はい、HEMSは既存のお家にも後付けすることが可能です。
ただし、設置には分電盤周りの配線工事など、センサー取り付け作業が基本的に必要です。
お家づくりの計画段階でHEMSの導入を組み込んでおくと、配線を壁の中に隠すことができ、見た目もすっきりと仕上がるため、新築時に検討することが最もスムーズでおすすめです。

Q4. 補助金について、どこで調べればいい?

HEMS単体での補助金は減少傾向ですが、ZEH住宅の新築や省エネリフォームの一環として導入する場合、補助金の対象となることがあります。
国の補助金は「一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)」、お住まいの自治体の補助金は「地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト」などで確認できます。

 

住宅会社の相談カウンターで、親しみやすい女性スタッフに家の健康性能について相談し、安心している若い夫婦。

HEMSで叶える、一歩先のスマートな暮らし

今回は、HEMSを導入することで、お家の暮らしがどのように変わり、どんな未来が待っているのかをご紹介しました。
HEMSは、単に電気代を節約するためだけのツールではありません。
「見える化」でご家族の絆を深め、「自動制御」で快適な時間を作り、「連携機能」で未来の安心を備える。
HEMSは、これから何十年も続くご家族の暮らしを豊かにしてくれる、「未来への賢い投資」と言えるでしょう。

 

「うちの場合はどうなるんだろう?」「シミュレーションだけでも見てみたい」
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