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和モダンなリビングに!小上がり和室の選び方と後悔しないポイント
最近注目されているインテリアスタイルのひとつに「和モダン」があります。
和モダンは、伝統的な日本の要素(畳・木材・障子など)と、現代的なシンプルなデザインを融合させたスタイルです。
その中でも「小上がり和室」は、リビングに程よい和のエッセンスと機能性を加えるアイテムとして支持を集めています。
段差で空間を区切ることでメリハリが生まれ、畳の上では座る・寝転ぶ・お茶を飲むなど、くつろぎ方の幅も広がります。
しかし、「思っていたより使いづらかった」「生活動線が悪くなった」などの後悔の声があることも事実。
そのため、今回は小上がり和室を和モダンリビングに導入する際の選び方・設置時の注意点をわかりやすく解説します。
小上がり和室とは?
小上がり和室の基本的な構造と特徴
「小上がり和室」とは、床面より一段高く設けられた畳敷きのスペースのことを指します。
リビングの一角に3〜4畳ほどの広さで設置されることが一般的で、和の落ち着いた空間が生まれることで、リビング全体のアクセントになります。
また、段差部分に収納を組み込めるため、単なるくつろぎスペースとしてだけでなく、実用性を兼ね備えた多目的エリアとしても活躍します。
「本格的な和室をつくるほどではないけど、畳のある落ち着いた空間がほしい」といったニーズに応える形で、現代住宅に適したミニマルな和空間として人気を集めています。
小上がり和室のメリット
1. 空間を緩やかにゾーニングできる
床との段差によって空間を自然に区切り、リビングに立体感やメリハリを与えられます。
ご家族の用途や気分に応じた空間使いがしやすくなります。
2. 多目的に使えるくつろぎスペースになる
畳の上では寝転ぶ・お茶を飲む・家事をするなど、自由度の高い過ごし方が可能です。
「第二のリビング」としてご家族の憩いの場になります。
3. 収納スペースとして活用できる
小上がりの下部を引き出し収納や跳ね上げ収納として利用できます。
限られた床面積でも、空間をムダなく活用できます。
4. 家族構成に応じた使い方ができる
子どもの遊び場やお昼寝スペース、高齢者の休憩所としてもぴったりです。
ライフステージに応じて柔軟に活用できます。
5. 幅広いインテリアと相性が良い
畳の種類や色、縁のデザインで印象を調整でき、和モダンや北欧風にもなじみます。
デザイン性と実用性を両立した空間演出が可能です。
和モダンとの相性が良い理由
「和モダン」は、古き良き和の要素と、現代的で洗練されたデザインを融合させたスタイルです。
和モダンの鍵は、素材・色使い・空間構成のバランスにあります。
小上がり和室は、次のような点でそのコンセプトと非常に相性が良いと言えます。
・木製フローリングとの高低差や素材のコントラストが、空間に立体感とモダンな雰囲気を演出
・畳の自然素材がもたらす温もりや柔らかさが、無機質な空間に“癒し”をプラス
・家具や装飾をミニマルに抑えることで、すっきりと整った洗練空間が実現
さらに、現代の小上がり和室では以下のようなデザイン面の工夫により、よりモダンな印象を強調できます。
・縁なし畳を採用することで、昔ながらの和室のイメージを払拭し、洗練された印象に
・カラー畳(グレー・ベージュ・ブラックなど)で空間全体のトーンを統一しやすい
・間接照明やダウンライトを取り入れることで、モダンかつ落ち着いた雰囲気を演出
・木の質感を活かしたフレームや、スチール脚の家具とも違和感なく調和
また、和モダンスタイルでは“余白”を大切にするため、小上がり和室のシンプルで無駄のない構造は、美しさとして空間に活かされます。
「引き算の美学」に通じるその空間は、デザイン性・機能性・雰囲気すべてにおいて、和モダンインテリアとの高い親和性を誇ります。
和モダンリビングに合う小上がり和室のポイント
1. 畳の素材で「雰囲気」と「使い勝手」が変わる
小上がり和室の印象や機能性を左右するのが畳の素材選びです。
それぞれの特性を理解し、暮らしに合ったものを選びましょう。
天然い草畳:香り・風合い・調湿性に優れ、伝統的な落ち着いた雰囲気を演出。
自然素材を好む方に最適の反面、湿気や日焼けに弱く、定期的なメンテナンスが必要
和紙畳:和紙をこより状にして加工した耐久性の高い畳。
色あせ・カビに強く、カラー展開も豊富で、モダンなインテリアにもよく馴染む
樹脂畳:水や汚れに強く、お掃除が簡単。小さなお子様やペットと暮らすご家庭におすすめ
✅ 選び方の目安:
自然な質感を求めるなら「天然い草」、耐久性や手入れのしやすさを重視するなら「和紙畳」または「樹脂畳」が適しています。
2. 色・デザインで和モダンな統一感を
畳の色や形状によって空間の印象は大きく変わります。
インテリアとの相性を考えてデザインを選びましょう。
色選び:グレー・ベージュ・グレージュなどのアースカラーやモノトーンは、和モダンスタイルとの相性◎
形状:縁のない琉球畳は、すっきりとした現代的な印象に
統一感の出し方:床や家具の色調と畳の色を揃えることで、空間全体にまとまりが生まれます
✅ 配色例:
白木フローリングにグレー畳、ダークブラウンの家具に濃紺の畳など
3. 高さと広さは「使い方」と「動線」で決める
小上がりの高さや広さは、目的や暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。
高さの目安:
15cm前後:段差が小さく、座る・寝転ぶ用途に最適
30cm前後:ベンチ代わりに腰掛けやすく、収納力も確保可能
45cm以上:椅子感覚で使えるが、圧迫感が出る可能性も
サイズの目安:
2畳 → コンパクトながら多目的に使いやすい
3〜4畳 → 大人が数人くつろげる広さ。ご家族での利用におすすめ
✅ ポイント:
使用シーン(腰掛け、昼寝、団らんなど)と、生活動線の邪魔にならない設計かどうかを考慮しましょう。
4. 収納付きタイプで空間を効率的に使う
小上がりの下部を収納スペースとして活用すれば、生活感を抑えたすっきり空間に。
引き出し収納:日用品やおもちゃなど、出し入れが頻繁なものに便利
跳ね上げ収納:大容量収納が可能で、季節用品やお掃除道具の収納に最適
フタ式ボックス収納:DIY向け。好みに合わせてアレンジ可能
✅ 選び方のコツ:
何を収納したいか?どれくらいの頻度で出し入れするか?を考慮して選びましょう。
5. 照明で空間の質を高める
小上がり和室の魅力を引き立てるうえで、照明計画は重要。
和モダンスタイルでは、陰影や光の柔らかさで雰囲気が大きく変わります。
間接照明・ダウンライト:畳や段差に陰影をつけ、落ち着いた雰囲気を演出
壁付け照明:視線を引きつけ、奥行きのある空間に
スタンド・ペンダントライト:低めの照明がくつろぎ感を高める
✅ 照明選びのポイント:
明るすぎないLEDや電球色を選ぶと、畳の自然な色味が引き立ち、和モダンらしい落ち着いた雰囲気に。
後悔しないための設置前のチェックポイント
小上がり和室を見た目や憧れだけで決めてしまうと、「思っていたのと違った」「使いにくい」と後悔することも。
ここでは、設置前に確認しておきたい重要なポイントを4つの視点からご紹介します。
1. 日当たりや湿気など、設置場所の環境を事前にしっかり確認しましょう
畳は天然素材またはそれに近い風合いを持つ素材のため、湿気や日差しによる影響を受けやすいことが特徴です。
たとえば、南向きの大きな窓から強い直射日光が差し込む場所に設置する場合は、紫外線による退色を防ぐためにUVカットカーテンなどの対策が必要です。
一方、湿気がこもりやすい場所であれば、カビやダニのリスクを避けるためにも、和紙畳や樹脂畳など、耐湿性に優れた素材を選ぶ方が賢明です。
2. お手入れや耐久性を事前にイメージしておく
小さなお子様がいるご家庭や、ペットと暮らしている場合、飲みこぼしや粗相への対策は欠かせません。
汚れが気になる環境では、撥水性や耐久性に優れた和紙畳・樹脂畳が最適です。
一方、天然い草の畳は風合いや香りに優れますが、定期的なメンテナンス(年1回の裏返し、5〜6年での表替えなど)が必要になります。
日々のお掃除や交換サイクルも含めて、無理のない範囲で選びましょう。
3. 段差の安全性にも配慮を
小上がりは段差によって空間にメリハリをもたらしますが、その段差が思わぬ危険につながることもあります。
特に、小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、段差の角を丸く加工したり、コーナークッションをつけたりする工夫が重要です。
さらに、間接照明で段差を視認しやすくする、必要に応じて手すりを設けるなど、安全面への配慮も忘れずにしましょう。
4. 家族の生活スタイルに合っているかを再確認
見た目の美しさだけでなく、「日々の暮らしにどう馴染むか」も小上がり和室づくりでは欠かせない視点です。
たとえば、毎日の食事スペースとして使うなら、テーブルや座椅子を置ける設計かどうかを考える必要があります。
また、ゴロゴロ寝転びたい場合は、十分な広さや畳のやわらかさが大切。
座卓を使うのか、腰掛けスタイルにするのかでも、設計は変わってきます。
憧れだけで決めず、ご家族の生活動線や用途に合った設計を心がけましょう。
まとめ
小上がり和室は和モダンリビングに自然なアクセントと落ち着きをもたらし、空間に立体感と機能性をプラスします。
単なる和の空間にとどまらず、腰掛け場所や収納、子どもの遊び場、家事スペースなど、多目的に活用できる柔軟なスペースです。
家具や照明、インテリアのコーディネート次第で、和の趣と現代的なデザインが調和した洗練された空間となります。
設置前の環境チェックやお手入れも重要なポイントなので、しっかり準備して後悔のない和モダン空間を作りましょう。