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家を建てる時の諸費用はいくら必要?総費用の10%目安と、予算オーバーを防ぐ工務店の資金計画
家づくりを考え始めると、間取りやデザインへの期待が膨らむ一方で、「土地と建物以外に、どれくらいお金が必要なのだろう」と不安になる方も少なくありません。
実は、家づくりの予算を立てる際には、土地代・建築費以外にも、税金や登記費用、住宅ローン関連費用など、総費用の約10%前後の「諸費用」が必要になるケースが一般的です。
この諸費用をあらかじめ把握しておくことは、単に計算上の数字を合わせるためだけではありません。後から「思っていたよりも予算が足りない」と妥協することなく、本当に大切にしたい性能やこだわりを最後まで守り抜くための、大切な準備です。
今回は、ご家族が新しい生活を安心してスタートできるよう、「いつ・いくら必要なのか」という具体的なタイミングも含め、予算オーバーを防ぎ、数十年先まで「この家を建てて良かった」と思える資金計画の考え方を、家づくりの現場を知る工務店の視点から具体的に解説します。
【この記事のポイント】
- 家を建てる時の諸費用は、総費用の「約10%」を目安に余裕を持った計画を立てましょう。
- 契約のタイミングごとに必要な現金が異なるため、いつ・いくら必要かを事前に確認することが大切です。
- 手元の自己資金が少ない場合でも、無理のない範囲で諸費用を住宅ローンに含める方法をご検討いただけます。
- 単なる費用の計算だけでなく、ご家族の将来の暮らしを見据えた総合的な資金計画から始めましょう。
目次
家を建てる時の諸費用は「総費用の10%」が目安
「新しい家で、家族とどんな時間を過ごそうか」とイメージを膨らませる一方で、現実的なお金の話になると立ち止まってしまう方は少なくありません。
家を建てるためには、土地代や建築費のほかに、税金や各種手数料といった「諸費用」が必要になります。
まずは、自己資金やローンの最適な組み合わせを考える設計図である 「資金計画」 の視点から、お金の全体像をすっきりと整理していきましょう。
土地・建物・ローンにかかる費用の全体像と判断基準
家づくりにかかる費用は、大きく「土地の購入費用」「建物の建築費用」、そして印紙代や登記費用、ローンの手数料などの「諸費用」の3つに分類されます。
この諸費用の総額は、土地の有無やローンの組み方によって多少前後しますが、一般的には土地・建物の総費用に対して 「約7〜10%前後」 がひとつの目安になります。
たとえば4,000万円の予算を組む場合、300万〜400万円程度を見込んでおくと安心です。
特に土地購入を伴う注文住宅では、ゆとりを持って「10%前後」を想定しておくことが、予算オーバーを防ぐための確かな判断基準となります。
なお、建て替えやリノベーションの場合は、古い建物の解体費用や仮住まいのお家賃などもこの諸費用に含まれます。
更地から新築を建てる際にはかからない大きな実費だからこそ、あらかじめ全体の予算計画に組み込んでおきましょう。
予算オーバーを防ぐための総額計算の考え方
諸費用を含めずに建物本体の要望だけでギリギリの予算を組んでしまうと、いざ契約の段階になって「やっぱりあの大きな窓は諦めよう」「キッチンのグレードを下げよう」と、本当にこだわりたかった部分を削らざるを得ないケースが出てきます。
予算オーバーを防ぐためには、最初からこの諸費用を含めた「総額」で計画を立てることが大切です。
さらに、お引越し費用や新しい家具・カーテンの購入費用も忘れずに見込んでおきましょう。
実際のご相談の現場でも、「建物の本体価格には意識が向いていたけれど、地盤改良工事のような見えないリスクや、新居に合わせたカーテン・家具の購入費用を『初期の予算』として確保できていなかった」とお話しされるご家族は決して少なくありません。
こうした実生活に関わる細かな費用まであらかじめ視野に入れておくことで、お引渡しを受けたその日から、ローンの返済に追われるのではなく、新しい住まいでの豊かな時間を心から楽しんでいただけるようになります。
関連記事:マイホーム購入前に必読!後悔しない予算の決め方と諸費用のすべて

契約のタイミング別・現金が必要になる諸費用の内訳
家づくりは数ヶ月以上かけて進むため、お支払いのタイミングも数回に分かれます。
細かな税率などは時期によって変わることもありますが、まずは 「契約したとき」「登記(名義変更)したとき」「住宅ローンの手続きや入居時」 の3つのステップで現金が必要になる、と全体像をつかんでおきましょう。
ここでは、お支払いの流れに沿って、各タイミングで「いつ・いくら必要か」を順番に整理していきます。
まずは具体的な数字よりも、ご自身の家づくりのスケジュールをイメージしながら読み進めてみてください。
| 項目 | 支払いのタイミング | 金額の目安 | 主な支払方法 |
|---|---|---|---|
| 仲介手数料 | 土地の売買契約時 | 土地代の3%+6万円(+税) ※法律上の上限 | 現金 |
| 印紙代 | 各契約の締結時 | 数千円 〜 数万円程度 | 現金 (電子契約は0円) |
| 登記費用 | 土地・建物完了時 | 数十万円程度 (司法書士報酬込) | 現金 または ローン |
| 不動産取得税 | 入居後数ヶ月 | 0円 〜 数十万円 (控除あり) | 現金 |
| ローン手数料/保証料 | ローン契約時 | 借入額の2%前後 ※金融機関による | ローンに組み込み可 |
| 火災・地震保険料 | 入居前 | 10万円 〜 20万円程度 | 現金 または ローン |
土地の購入時にかかる費用
土地を新しく購入して家を建てる場合、まずは「土地そのものの権利」を得るための費用が必要になります。
不動産会社に支払う「仲介手数料」
不動産会社を通して土地を探すケースでは、売買契約を結ぶ際に「仲介手数料」が発生します。
これは、複雑な契約事務の代行や土地探しのサポートに対する報酬として支払う費用です。
この手数料は法律で上限が定められており、400万円を超える土地の場合は 「(土地の価格 × 3% + 6万円)+ 消費税」 という計算式で求められます。
たとえば2,000万円の土地であれば、72万6千円(税込)が上限の目安です。
ご自身の検討されている土地の価格をこの式に当てはめて、おおよその金額を把握しておきましょう。
売買契約書に貼る「印紙税」
土地の売買契約書には、印紙税(印紙代)を納めるための収入印紙を貼る必要があります。
現在は軽減措置が適用されており、金額の目安は以下の通りです。
| 土地の契約金額(売買代金) | 印紙税額(軽減措置適用後) |
|---|---|
| 100万円超 〜 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 〜 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超 〜 5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超 〜 1億円以下 | 30,000円 |
| 1億円超 〜 5億円以下 | 60,000円 |
| ※2029年(令和11年)3月31日までに作成される 「土地の売買契約書」に適用される軽減税額です。 |
これらは土地の契約時に現金で準備することが一般的ですので、事前に用意しておくと当日のお手続きがスムーズです。
不動産取得税や登記に関する費用について
土地を手に入れたあとも、その権利を法的に守るための手続きや、不動産を持ったことに対する税金が発生します。
土地の権利を公的に証明する「登記費用」
購入した土地が自分のものであることを公的に証明するために「所有権移転登記」を行います。
この手続きにかかる登録免許税は、本来は土地の評価額の2%ですが、現在は軽減措置により2029年(令和11年)3月31日までは「1.5%」 に引き下げられています。
これに加えて、手続きを代行する司法書士への報酬(数万円〜10万円程度)も必要になります。
土地の取得後にかかる「不動産取得税」
土地を取得してから数ヶ月後に、都道府県から「不動産取得税(土地や建物を取得した際に一度だけかかる地方税)」の納税通知書が届きます。
本来の税率は4%ですが、現在は特例により、2027年(令和9年)3月31日までに取得した土地や住宅については「3%」 に緩和されています。
家を建てるための土地であれば、面積や建物の性能に応じて大きな控除が適用されるため、最終的な支払額が0円(非課税)になるケースも珍しくありません。
とはいえ、忘れた頃に届く通知に驚かないよう、念のため予算を確保しておくのが賢い資金計画のコツです。
建物の建築時にかかる費用
建物の建築にあたっては、契約書などの書類にかかる費用と、実際の敷地の状況に応じて発生する費用の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。
建築請負契約と登記にかかる税金
まず、お家を建てるための「建設工事請負契約」を結ぶ際、契約書に貼付する印紙代がかかります。
金額の目安は以下の通りです。
| 建物の請負金額(建築費) | 印紙税額(軽減措置適用後) |
|---|---|
| 100万円超 〜 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 〜 1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超 〜 5,000万円以下 | 10,000円 |
| 5,000万円超 〜 1億円以下 | 30,000円 |
| 1億円超 〜 5億円以下 | 60,000円 |
| ※2029年(令和11年)3月31日までに作成される 「建設工事の請負に関する契約書」に適用される軽減税額です。 |
また、建物が完成した際には、その所有権を初めて登記する「所有権保存登記」を行います。
ここでは、お家の「性能」がコストに直結します。
私たち大栄建設が推奨している「認定長期優良住宅(耐震や省エネの国基準を満たした住宅)」などの認定を受けることで、本来0.4%の税率が 0.1% まで引き下げられる特例(2027年(令和9年)3月末まで)が適用されます。
住み心地を追求することが、こうした取得時のコストを賢く抑えることにも繋がるのです。
敷地の状況によって変動する付帯工事費
ここまでは主に書類上の「税金」のお話でしたが、実は現場のご相談でより多くの方が驚かれるのは、敷地の状況によって金額が変わる「付帯工事費」の実費についてです。
まず着工前に行う「地盤調査(費用は5〜10万円程度が一般的です)」の結果、地盤が軟らかいと判定された場合には「地盤改良工事」が必要です。
この場合、地盤の状態や工法によりますが、50万円〜100万円を超える追加費用が発生することもあります。
あわせて確認しておきたいのが、水道を引き込む際の「水道利用加入金(分担金)」です。
金額は自治体や水道管の口径により数万円〜数十万円と大きく異なります。
「土地代が安かったけど、給排水の引き込みに想定以上の費用がかかった」というケースは意外と多いため注意が必要です。
横浜市や川崎市でもエリアごとに規定が異なるため、土地選びの段階でこうした細かな費用も把握しておくと、より精度の高い、安心できる資金計画を立てることができます。
住宅ローン契約時にかかる費用
住宅ローンを利用される場合は、金融機関への手数料や、万が一に備えるための保険料が必要になります。
金融機関への「融資手数料と保証料」
代表的な「住宅ローン保証料」は、借入額の約2%が相場です。
たとえば3,000万円の借入なら約60万円というまとまった金額になります。
最近では、この保証料を0円にする代わりに、一律の「融資手数料」を支払うプランも選べるようになっています。
どちらのプランがご家族のライフプランにおいて有利になるか、利息も含めたトータルバランスを考えることが大切です。
建物と家族を守るための「保険料」
大切なマイホームを火災や自然災害から守るための「火災保険料」も必要です。
火災保険料は建物の構造や期間によりますが、現在は最長5年契約が一般的で、費用は10万円〜20万円程度がひとつの目安となります。
地震保険を付帯するかどうかを含め、地域の環境に合わせた過不足のない補償内容を検討していきましょう。
あわせて確認しておきたいのが、「団体信用生命保険(団信)」です。
これは、住宅ローンの返済中にご契約者に万が一のことがあった際、保険金で住宅ローンの残額が完済される仕組みです。
残されたご家族に大きな負担を残さず、そのままお家に住み続けられるようにするための大切な備えとなります。
保険料が金利に含まれる場合もあれば、特約(がん保障など)を付けることで金利が上乗せされるケースもあります。
ご家族の人生を守るための保険ですので、保障内容も設計士や担当者と一緒に見極めていくことが大切です。
契約方法で差が出る「印紙代」
住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約)の印紙代には、土地のような軽減措置がありません。
借入額が1,000万円超〜5,000万円以下なら2万円、5,000万円超〜1億円以下なら6万円が必要です。
ただし、近年普及している「電子契約(スマートフォンやパソコンでの署名)」を採用している金融機関であれば、この印紙代は不要(0円) となります。
こうした新しい仕組みを賢く取り入れることで、手続きの手間と費用の両方を抑えることができます。
関連記事:住宅ローンの事前審査(仮審査)と本審査の違いとは?通過するために知っておくべきこと

自己資金が不安なときの資金計画と住宅ローンの選び方
「手元の貯金だけでは、諸費用をすべて現金で支払うのは難しいかもしれない」と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
子育てや教育にお金がかかる時期であれば、なおさら手元に現金を残しておきたいものです。
ここでは、自己資金が少ない場合の工夫や考え方をご案内します。
諸費用をローンに含める際の仕組みと注意点
最近では、諸費用を住宅ローンに含めて借り入れることが一般的になっています。
その方法には大きく分けて、住宅ローン本体に上乗せして借りる形と、別の「諸費用ローン」として契約する形の2つがあります。
どちらの方法であっても、借入総額が増えることで、金融機関の審査基準である「返済比率(年収に対する年間返済額の割合)」に影響します。
無理にすべてをローンに頼るのではなく、まずはご自身の希望する借入額が、家計にとって安全な範囲に収まっているかを確認することから始めましょう。
将来の暮らしを守る無理のない借入額の判断基準
諸費用をローンに含める最大のメリットは、手元に現金を残せる安心感です。
一方でデメリットは、本来払わなくてよい利息を支払い続けることにあります。
ここで大切にしていただきたい判断基準は、「お引渡し後に、万が一の備え(数ヶ月分の生活費など)がいくら手元に残るか」 という視点です。
もし諸費用を現金で払って貯金がゼロになってしまうのであれば、無理をせずローンを活用し、この「生活防衛費」を確保しておく方が、住み始めてからの精神的な安心感に繋がります。
さらに一歩踏み込んで、その安心を確かなものにするためには、銀行の審査基準(額面の年収)ではなく、実際に使える 「手取り額」に対する返済比率 に注目しましょう。
銀行の基準上限まで借りるのではなく、手取りの20〜25%以内に収めること。
この「無理のない返済比率」を守りつつ、先ほどの「生活防衛費」をしっかり確保すること。
この2つの基準をセットで検討することこそが、数十年先まで心ゆたかに暮らし続けるための何よりの秘訣です。
関連記事:返済比率が高いときの対処法は?無理のない住宅ローンの組み方

諸費用の不安を解消するよくある疑問と解決策|FAQ
ここでは、家づくりをご検討中の方から実際によくいただくお金に関する疑問と、その解決策をQ&A形式でご紹介します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、不安解消にお役立てください。
Q. 引越しや仮住まいの費用はいつ用意すればいいですか?
- A. お引越し費用や仮住まい費用は、実際にそのサービスを利用するタイミング、つまりお引越しの日や不動産の賃貸契約を結ぶ日に、現金や振り込みでのお支払いが必要になるのが一般的です。
建替えやリノベーションの場合は、工事が始まる前の仮住まいへのお引越し、そして完成後の新居へのお引越しと、合計2回の費用と手間が発生します。
また、数ヶ月間だけ住む仮住まいであっても、賃貸契約を結ぶための初期費用(敷金や礼金、仲介手数料など)が必要になります。
これらの費用は、利用する金融機関や住宅ローンの商品タイプによって、借入に含められる場合と「全額自己資金」となる場合に分かれます。
工事が始まる直前になって慌てないよう、あらかじめ検討している住宅ローンがどこまでカバーしているかを確認し、必要であれば数ヶ月前には手元に現金を確保しておくようにしましょう。 Q. 諸費用を少しでも抑える工夫はありますか?
- A. 各種の手数料や保険料をご自身の状況に合わせて見直すことで、諸費用を数十万円単位で抑えられる可能性があります。
たとえば、火災保険は補償内容を細かく精査することで最適化できます。
ハザードマップを確認し、水災リスクが極めて低い地域であれば補償を外す選択肢もありますが、近年のゲリラ豪雨や排水能力を超える「内水氾濫」のリスクも考慮しなければなりません。
単に安くするのではなく、地域の特性とライフプランを照らし合わせ、専門家と相談しながら「必要な補償」を絞り込むことが大切です。 Q. 貯金が少ない状態でも家づくりの相談はできますか?
- A. 手元の自己資金が少ない状態でも、ご家族にとって安心できる計画を立てることは十分に可能です。
「もう少し頭金が貯まってから」と時期を遅らせることで、その間も現在の住まいの家賃支払いが継続するほか、将来的に住宅ローンの完済年齢が定年後へ延びていくといった側面もあります。
大切なのは、今の状況から無理なく進められる「全体像」を客観的に判断することです。
借入と手元資金的のベストなバランスを知るためにも、少しずつ情報収集を始めてみるのがおすすめです。
関連記事:新築の予算オーバーはどこを削る?後悔しないための削れる費用と守るべき住宅性能

まとめ|SUMMARY
家を建てる際にかかる諸費用は、土地・建物の総費用の「約10%」が目安です。
いつ、どのくらいのお金が必要になるかをあらかじめ把握しておくことが、予算オーバーを防ぐ最大のポイントとなります。
しかし、住宅ローンの選択や税制優遇の条件は、ご家族の状況や建物の性能によって大きく異なります。
ネット上の一般論だけで、自分たちに最適な答えを見つけるのは簡単ではありません。
家づくりの資金計画は、「いくら借りられるか」ではなく、「これからの暮らしを安心して続けられるか」を基準に考えることが何よりも大切です。
私たち大栄建設では、ご家族ごとに異なる暮らし方や将来設計を踏まえながら、無理のない資金計画をご一緒に整理しています。
「何から始めればいいか分からない」という方も、まずは現在のご不安をそのままお聞かせください。
無理のない返済計画で、心から安心して暮らせる住まいづくりを一緒に進めていきましょう。
